Withコロナの学校運営 日野田校長に聞く

「生徒と一緒に創る分散登校」を模索しているという、東京都西東京市の武蔵野大学中学校・高等学校。日野田直彦校長に、今後のWithコロナ、アフターコロナの学校運営について聞いた。

生徒と一緒に創る分散登校
学校運営について話す日野田校長(ビデオ会議システムで取材)

同校では6月1日から分散登校を始めている。同日からの第1週は感染対策をした上で、入学式や始業式、ガイダンスなどを行った。同8日からはクラスを分け、生授業とオンラインコンテンツの両方を活用して午前と午後で授業を行い、全学年が毎日登校できるようにしている。

日野田校長は「生徒には『一緒に授業をつくっていこう』と話している。こうした授業形態は初めてだから、われわれ教員も答えを持っていない。生徒からもどんどんフィードバックをしてほしいと伝えている」と話す。

22日以降は感染状況次第で判断するとしており、状況が好転すれば全面再開するが、その場合でも3密を避けるなど「新しい生活様式」に対応。1学期の終わりまでは、基礎力を集中してつけることに注力していくとしている。

同校では休校中からオンラインコンテンツを活用しているが、学校再開後も同様に活用。既存のオンラインコンテンツを時間割に落とし込み、生徒が学習ペースをつかみやすいようにしている。

「いつまでに何ができて、どのくらいのペースでやれば終わるのかが分かるようにしている。こうすることによって、生徒の不安感をなくすことができる」と説明し、「どのような形も正解はない。それぞれの学校の実情に合わせて対応することが大切で、みんなでアイデアを出し続けていくべき」と話す。

学校・授業システムをゼロから構築

今後、同校では3年かけて授業の在り方を変えていく。生徒に「何を」「どう学び」「どのような力を付けるのか?」を明確にしていくために必要な学校・授業システムの構築をゼロから考えていくとしている。

例えば英語の文法など、基本的なリテラシーに関しては、オンラインコンテンツを活用していく方針。

「休校中に生徒だけでなく、教員も実際にオンラインコンテンツを使ってみたことで、学校とオンラインの役割分担がはっきり見えたと言っている。自分たち教員ができることと、オンラインじゃないとできないことを、みんなが研究してくれた」と振り返り、「本当の意味でのオンラインとオフラインの融合をやろうと考えている。オンラインの特性、オフラインの特性についてきちんと定義し、そのベストミックスを探っていきたい」と意気込みを語る。

また、オンライン学習は生徒一人一人の学びの進捗(しんちょく)度合いが分かる以外にも、例えば問題に取り組むペース配分や時間帯などから、生徒の性格や学習環境も浮き彫りになるのがメリットだという。

「今までの学校の生授業だけの時と比較すると、情報量が全く違う。オンライン学習を取り入れることで、生徒への理解がより深まったところは大いにある」と実感を語る。

学校は長期戦に備えるべき

今回の休校では、「学校のあるべき姿が見えてきた」という。

「今までの教育はリテラシーをたたき込み、インプットすることが中心だった。今後は、いかにアウトプットするかだけでなく、お互いにフィードバックして、社会や組織、チームをよくするためにはどうすればいいのかを考えていくべきだ」と強調。

教員の役割については、「勉強は自ら主体性を持ってすることであり、生徒がオーナーシップを持つことが大切。われわれ教員は、生徒の自律性を促すサポーターであり、ペースメイクするのが仕事。常に生徒が自分たちで問題解決するために何ができるかを考え続けるべきだ」と話す。

同校では第2波が来た場合は、オンライン授業を再開して学びの継続を担保しつつ、一部オンライン生授業の配信も検討していくとしている。

「想定外はない。大事なことは、全てにおいてシミュレーションすることと、チームで動くこと。学校は長期戦に備えるべき。長期戦において耐え切れること、浮き沈みがないことが、今後の学校運営には求められている」と語る。

次のニュースを読む >

関連