大学入試の日程を1カ月遅れに 休校受け全高長が要望へ

新型コロナウイルスによる休校長期化を受けて、全国高等学校長協会(全高長)は6月15日までに、今年度の大学入試の日程について1カ月程度遅らせることを、文科省や大学関係団体などに要望する方針を固めた。今年度から始まる大学入学共通テストだけでなく、一般入試や総合型選抜(旧AO入試)、学校推薦型選抜(旧推薦入試)などの一体的なスケジュールの後ろ倒しを要請する一方、出題範囲の検討などは求めない。

要望書を提出する方針は、13日にオンラインで開かれた「都道府県高等学校長協会長研究協議会」の場で、全高長会長の萩原聡・東京都立西高校長が1カ月程度の後ろ倒しを提案し、了承された。

来年1月実施の共通テストをはじめ、国公立大学の2次試験や私立大学の一般入試、秋ごろに出願が始まる総合型選抜、学校推薦型選抜など、全ての入試日程を一体的に遅らせる。要望書は近日中に文科省や国立大学協会、日本私立大学連盟などの関係団体に提出する。

新型コロナウイルスで休校が長期化し、今年度の大学入試を受験する高校3年生への配慮を検討するため、文科省は全高長にアンケート調査を依頼。11日に文科省で開かれた「大学入学者選抜方法の改善に関する協議」で、全高長は会員校5276校のうち4318校の回答を仮集計した結果を報告した。

それによると、共通テストの日程については①現時点では、当初予定どおりの実施とすべき 30.0%②現時点では、当初予定どおりの実施とし、予定どおり実施できなかった場合の予備日の日程も明確にすべき 39.0%③現時点で2週間程度後ろ倒しすべき 18.6%④現時点で1か月程度後ろ倒しすべき 10.2%⑤現時点で④以上後ろ倒しすべき 2.1%――となるなど、予定通りの実施を求める意見が7割に上る一方、後ろ倒しを求める意見は3割にとどまった。

しかし全高長では、予定通りの実施を求める意見の中にも何らかの配慮を求める声があることや、就職予定の高校3年生の採用選考開始が1カ月延期されたことを踏まえ、大学入試についても1カ月程度の日程の後ろ倒しを提案することにした。

萩原会長は「入試の内容や出題範囲について、大学側に配慮を求めることは現実的には難しい。高校でしっかり勉強する時間を確保するためには、入試の日程全体を後ろにずらすことが最善策だと考えた」と説明し、要望書に出題範囲の検討は盛り込まない見通しを示した。

新型コロナウイルスによる大学入試の日程を巡って、萩生田光一文科相は6月12日の閣議後会見で、全高長のアンケート結果を受け、「私としては、仮に、当初の予定通りの日程で実施することになったとしても、例えば、共通テストの追試験について、受験生が抱えるさまざまな状況にも柔軟に対応し、受験が可能となるようにすることや、各大学の個別入試において、追試験の実施や選択問題の設定を確実に行ってもらうことが重要であると考えている」と述べ、「大学入学者選抜方法の改善に関する協議」の結論を踏まえた入試への対応を大学側に求めた。

文科省では6月中にも、今年度実施される大学入試の具体的な事項を示した「大学入学者選抜実施要項」を策定し、公表する方針。

次のニュースを読む >

関連
特集