【入試改革】高校教員が現場への影響報告 大学入試会議

今後の大学入試について議論する文科省の「大学入試のあり方に関する検討会議」の第9回会合が6月16日、WEB会議で開かれた。今回は全国各地の英語、数学、国語科の県立高校教員らが登壇。大学入試が高校教育に与える影響は大きく、英語の民間試験や記述式問題の導入にも課題があることが、現場からの報告で示された。萩生田光一文科相も途中参加し、現場の意見に謝意を示した。

オンラインでの検討会議に参加する萩生田文科相(写真手前)

県立秋田北高校の英語科、杉田道子教諭(兼)教育専門監は「英語の民間試験を導入すると、全国の高校では生徒や保護者の期待に応えようと、特定の民間試験の対策を授業で行うようになるのでは」と懸念。県立姫路西高校の藪内章彦教諭は「5~10年という時間をかけて、共通テストの中で英語4技能を測れるようにするべき」と主張した。

杉田教諭に、萩生田文科相は「地方都市の場合、近くに会場があるなどの理由で特定の外部試験が選ばれやすくなるのか」と質問。「生徒が解答形式に慣れている、教員が指導しやすいといった試験が好まれる」と杉田教諭が答える一幕があった。

数学科でも、県立土浦第一高校の井坂直樹教諭が「学校で記述式問題の対策をしてもらえる、という生徒からの期待を感じる。現場では生徒や保護者の意見をくむように動くので、慎重な議論をしてほしい」と話した。

また国語科では、県立金沢泉丘高校の小玉裕介教諭が「これまでのセンター試験でも、基礎的な表現力を測ることは可能だった」としながらも、「授業で扱う教材は、入試に出題されることの多い評論文が中心になり、小説や韻文などを扱う機会が相対的に少なくなっている。幅広い学力を問う入試の作成が必要」と訴えた。

会議ではさらに、障害のある受験生に対する配慮についても議論された。東京大学先端科学技術研究センターの近藤武夫准教授はこれまでの大学入試センター試験で、問題用紙・解答用紙を使った方法や受験室などの環境により、障害を持つ受験生にとって解答が困難になるケースがあったことを指摘。

「(今後の出題が想定される)複数の資料を読んで見比べながら適切な解答を思考し、記述で解答する試験では、視覚や読み、手書きに障害のある受験生の認知的負荷が極端に高まる。作問の意図を踏まえた上で、時間延長や問題数の変更など、踏み込んで考えていく必要がある」と述べた。

また、吃音(きつおん)症を持つ人の自助グループの全国組織である、NPO法人全国言友会連絡協議会の斉藤圭祐理事長は、吃音のある受験生に対して英語科目で話すことを課す場合、発話時間の延長などの配慮を求めた。

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