【教科担任制】外国語・算数・理科で優先導入案 中教審

中教審初等中等教育分科会「新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会」の第10回会合が6月18日、WEB会議で開かれ、2022年度をめどに本格導入が予定されている小学校高学年からの教科担任制について、外国語・理科・算数を優先的に専科指導の対象とする案を文科省が示した。

WEB会議で開かれた第10回会合

同省は、一般的に抽象的な思考力が高まる小学校高学年から教科担任制を導入することで、授業の質の向上や教員の負担軽減、小中の円滑な接続などの実現を目指したい考え。会合では本格的な教科担任制の導入に当たり、新たに小学校に導入された外国語や、プログラミング的思考などの観点が求められる理科・算数といった教科を優先的に専科指導の対象とする案を提示。また担当する専科教員には、専門性を担保するための経験や資格などの要件を設ける考えも示した。

同特別部会の委員で元三鷹市長の清原慶子・杏林大学客員教授は会合の中で、三鷹市のコミュニティ・スクールにおける小中一貫教育の実践から、「特に算数・数学、理科においては、小中の連携で授業の質が上がり、成績も向上した」と事例を紹介。

つくば市立みどりの学園義務教育学校の毛利靖校長は自校での経験から、「小学校は中学校と異なり、児童同士のトラブルに対応する必要が日常的に生じる。養成段階では専門性の向上でなく、実践的な研修が必要」と指摘。さらに、「外国人児童の多い地域では国語、教員の高齢化の進む地域では体育など、幅広い科目を専科指導とすることを検討すべき」と述べた。

また専科教員の人材確保について、委員から「在籍していない専科教員がオンラインで授業を行い、各教室では学級担任がファシリテート(授業の進行などの働き掛け)をするという形が考えられる。児童は質の高い授業に触れられ、教員は教室の状況を細やかに把握でき、専科教員の専門性から学ぶこともできる」といった意見があり、ICTの活用が人材確保の一助になるのではないかという考えが示された。

会合では他にも、「専門的な学びに結び付けるには、むしろ小学校4年生までの基礎固めが大切。小学校中学年以下への教科担任制の展開に当たっては留意が必要」「各学校・地域で弾力的なカリキュラムを作る場合、家庭の事情で転校する子供が疎外感を味わうことがないようフォローすることが望ましい」といった意見が挙がった。

文科省はこうした意見を受け、「現状でも各学校・地域でさまざまな工夫のもと、多様な教科担任制が取られていることを踏まえながら検討を進める」と結んだ。

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