感染予防と心のケアに尽力 集団感染の守恒小が学校再開

新型コロナウイルスに児童6人が集団感染し、厚労省から児童間で感染が広がった可能性があると指摘された北九州市小倉南区の守恒小学校が6月18日、分散登校で学校を再開した。5月29日から20日間に及んだ臨時休校の間、学校独自の感染予防対策を講じ、友達から感染者の出た児童たちの心のケアにも尽力して、学びの遅れを取り戻す早期の学校再開に踏み切った。

同小では5月28日に児童1人の新型コロナウイルス感染が分かり、6月5日にかけて、さらに児童5人の感染が確認された。厚労省のクラスター対策班は「感染が判明した児童の中には仲が良く、一緒に遊んだことや下校したことなど、接触の機会が確認された」として、授業時間や休み時間、登下校時などに児童間で感染した可能性があるとの暫定報告をまとめ、12日に北九州市に伝えていた。

休校中は児童の体調や心の内面に不安が見られないか保護者と連絡を取り合い、教職員の校内への立ち入りも禁じられた休校後の10日間は教員がオンラインで会議を重ね、感染防止策を話し合ってきたという。教職員が学校で勤務できるようになってからは、緊急時の児童の心の変化をどう支援すればいいのかスクールカウンセラーから研修を受け、小児科医や市教委、地区のまちづくり協議会、PTAなどを交えて意見交換会も開いて、早期の学校再開に備えていた。

18日から始まった分散登校では、児童を2つのグループに分け、2日に1度、午前中3時間の登校とした。感染予防を徹底するため、登校前に保護者が児童の検温をして健康チェック表に記入し、登校時には、学校の敷地内に設置したサーマルカメラで体温を再度、確認している。

独自の感染予防対策として、児童が一定の間隔をとって密集や密接を避けることができるように、天気に関係なく傘を差して登下校することを決めた。登校後は手を洗ってから教室に入る。手洗い場の周辺では児童が「密」の状態にならないよう、間隔を空ける印に沿って並ぶ。

教室では机と机の間隔を最大限広げるため、机の配置を放射線状にするよう工夫し、机上には飛沫(ひまつ)防止のガードを付けた。教室は入り口と出口を決め、一方通行にした。下校時には時間差をつけて、少人数ごとに教室を出るようにした。

児童が集団感染したことで、心のケアも入念に行う。

学校再開に当たっては、吉田一憲校長が「児童のみなさんへ」と題したメッセージを、学校のホームページに載せた。「不安な時は不安と言っていい。何かあったら先生たちに話してください」とした上で、「私たちの敵は新型コロナウイルスです。感染した人やその周りの人を責めたり、傷つけたりすることは絶対にしてはいけません。守恒小学校の児童全員で励まし合い、助け合いながら、この感染症と戦っていきましょう」と児童に呼び掛けた。

分散登校の初日に当たる18、19の両日は担任教諭が児童一人一人と面談し、休校中の生活や悩みにじっくり耳を傾けた。

吉田校長は「陽性になった子がいじめに遭わず、みんなが元の生活に戻れるよう、児童たちには『新型コロナウイルスを正しく恐れよう』というキーワードで話をしている。感染予防のため、校内でいろいろ制限がある中で、子供たちの学力、体力をつけていきたい」と話す。
学びの遅れを取り戻すため、分散登校は23日までとし、24日から午前中で授業を終える一斉登校に切り替えたいとしている。

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