地理、地学で「地球教育」を充実 日本学術会議が提言

持続可能な社会の在り方を模索する上で、気候変動や環境汚染、自然災害など、地球に関する学びが一層重要になるとして、日本学術会議は6月23日、地理や地学の分野を中心に「地球教育」の充実を求める提言を発表した。特に地震や風水害などに見舞われている日本にとって、自然現象の理解に基づいて、災害から身を守る対策や行動を判断できるようになるとともに、豊かな自然の恵みを適切に管理し、活用できるようになる「変動する地球に生きるための素養」が重要になるとし、学校教育や生涯学習における地球教育の充実をうたった。

提言では、新学習指導要領の方向性を踏まえ、子供たちが地球の営みや自然環境の変化を科学的・論理的に理解し、体験や判断の中から安全に生きていく知恵と想像力を獲得するためには、文理融合の視点で、地学や地理をはじめとするさまざまな教科で地球について学び、関心や意欲を高めることが重要だとした。

また、防災や環境に関わる事象について、多様な視点から教育できる人材育成の必要性も挙げた。

一方で、地球教育を推進する上での課題として、地学や地理を専門とする教員が少ないことや、高校では、地学や地理を履修する生徒の割合が他の理科や地理歴史科の科目と比べ低く、特に地学では科目自体を開設している学校が限られている現状を危惧。高校の新学習指導要領で「地理総合」が必履修となることを受け、地学分野と連携した地理の教材開発や、地理歴史科と理科の教科の垣根を越えた教員研修の実施を提案した。

また、学校教育を終えた後も、こうした地球教育は重要だとした上で、地域の博物館や科学館、ジオパークにおける学芸員や解説員の教育普及活動の質には大きな差があると指摘。大学などの研究機関と自治体が連携・共同し、地域密着型の地球教育を展開すべきだとした。

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