N高とメルカリがPBL型の授業 生徒がビジネスを提案

20年後の社会を想像して、新しい価値交換のビジネスを高校生が提案――。広域通信制高校のN高校は6月26日、フリマアプリによる個人間売買サービスを展開する「メルカリ」が協力したプロジェクト学習の発表会をオンラインで開いた。

20年後の新しいビジネスを提案するN高生

5月からスタートし、約1カ月半にわたって展開された「Project2040 20年後の価値交換を考える」と題したこのプログラムでは、メルカリの社員による最新技術に関する講演やグループワークを通じて、生徒は20年後の社会で普及していると思われる新しい技術を活用したビジネスやサービスを企画。

事前に全国のキャンパスから31チームがプレゼンテーションを行い、メルカリの社員らが課題の的確さやインパクト、新規性などの観点から評価。この日の発表会では、その中から選ばれた9チームが、さらに企画内容をブラッシュアップさせてプレゼンに臨んだ。

あるグループでは、触感や嗅覚も感じ取ることができる7Dホログラムの技術を用いて、ペットロスの問題を解決するビジネスを提案。ペットが生きているうちにAIでペットの人格を学習させ、死後に7Dホログラムでペットを再現して飼い主に提供する。

また、別のグループは生活習慣病などで飲食が制限される人をターゲットに、電気味覚とARで水を疑似的なドリンクに変えるサービスを発表。ユーザー同士でオリジナルの味覚を売買したり、味を数値化してAIが好みの味を提案したりする可能性も描いた。

いずれのグループも、統計データなどを基に社会課題を明確にし、本格的なデモ動画やイラストなどで具体的なイメージを提示。どんな方法で収益を確保するかといったビジネスモデルまで綿密に想定していた。発表を聞いていたメルカリの社員は、実際にビジネスとして成立させる上での課題など、企業の視点からアドバイスした。

授業に参加した生徒は「グループワークで仲間と一つのものを創り上げる大切さを実感した。発表方法を試行錯誤して、自分で考えたことは大きな進歩だった」「メルカリからのフィードバックが本気だったので、こちらも本気になって夜中まで企画を練った。本気で取り組むことのやりがいを持てた」「今までのプロジェクトとは違って、20年後を考えるのは難しかった。新しいことを考える思考ができた」などの感想が聞かれた。

講評を行ったメルカリの田原純香・Brand Managementチームマネージャーは「今回のテーマである価値交換はメルカリのビジネスそのものだが、どのビジネスでも活用できる考え方だ。これをきっかけに新しいビジネスを発展させてほしい」と参加した生徒たちに期待を寄せた。

同校の通学コースではこれまでも、企業や官公庁などと連携した「プロジェクトN」と呼ばれるPBL(Project Based Learning)型の授業に取り組んでいる。新型コロナウイルスの影響で、生徒は自宅からオンラインで今回のメルカリとのプログラムに取り組んだ。

同校の上木原孝伸副校長は「生徒が社会に踏み出すための武器の一つとしてプロジェクトNをやっている。成果物のクオリティーや生徒同士の協働を重視している。実際に課題を発見して解決しようとする生徒を育てることができていると思う」と手応えを語った。

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