デジタル教科書の普及加速 授業時数基準見直しも、文科相

GIGAスクール構想の進展を受け、萩生田光一文科相は6月26日の閣議後会見で、デジタル教科書の普及を加速させる考えを示した。学習者用デジタル教科書を使用する授業時数基準の見直しや、来年度予算で必要な措置にも取り組む。また、昨年の給特法改正に盛り込まれた変形労働時間制の導入に必要な省令などについて、7月上旬に制定する考えを明らかにした。

記者会見で質問に答える萩生田光一文科相

萩生田文科相は「GIGAスクール構想は当初、4年間をまたいで整備する予定だったので、この中でデジタル教科書の効果や影響に関する実証研究事業を進めてきた。しかし、今年度末には全ての小中学校にICT端末がそろうことになる。環境整備の加速に合わせて、デジタル教科書のさらなる普及促進を図る」と説明。

その上で、「学びの充実の観点から、デジタル教科書を使用する授業時数の基準とか、学習者用デジタル教科書の在り方などについて、しっかり検討していきたい。来年度以降は、デジタル環境が整った中での学校教育が始まるので、今までとはフェーズを変えて、加速していきたい。必要な予算措置は要求していく」と意欲を示した。

デジタル教科書については、6月22日に開いた政府の経済財政諮問会議で、民間議員がオンライン教育を促進するため今後1年間の時限を区切って制度改革を行うよう提案した。具体的には、現在、各教科の授業時数の 2分の1未満に設定されているデジタル教科書の使用基準を緩和するほか、オンライン教育の促進に向けて外部人材の活用や、端末の家庭持ち帰りのガイドラインを策定するよう求めた。また、学習履歴(スタディ・ログ)の活用基盤整備の加速も促している。

政府は、新型コロナウイルス感染症のため、予算編成を巡る政策決定プロセスを例年よりも1カ月後ろ倒しで進める考え。経済財政諮問会議は7月中旬に「経済財政運営と改革の基本方針2020」(骨太の方針)を決定し、これを受けて9月末までに来年度予算の概算要求を行う。萩生田文科相の発言は、こうした一連の流れを踏まえて、デジタル教科書の普及を加速させる考えを示したもの。

また、萩生田文科相は、昨年の給特法改正に盛り込まれた変形労働時間制に関連し、新型コロナの影響で必要な省令などの整備が遅れていることについて、「本来はもう少し早く決定をするべきだった」とした上で、7月2日に会議を開催し、その後すぐに省令などを制定する考えを示した。

7月上旬に省令などを制定することによって、市区町村などの自治体は9月に開催される地方議会で必要な条例を整備できるとして、「9月議会で条例を変更すれば、来年度の年度当初から変形労働時間制の実施は可能」と説明した。

萩生田文科相は「コロナによって夏休みが短縮になるなど、昨年議論をした未来像とは全く違う対応を学校現場の先生たちにとってもらわなければならない。今年は例外的になるが、来年、正常に戻れるならば、できるだけ早く各自治体が条例制定をして(変形労働時間制を)運用に移してもらいたい」と述べた。

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