オンライン授業の鍵を握る 高校情報科の教員が実践発表

高校の情報科の教員で構成する神奈川県高等学校教科研究会情報部会は6月25日、オンラインで研究大会を開き、新型コロナウイルスによる休校を受けた、県立高校のオンライン授業の実践を発表した。

オンライン授業における情報科の取り組みを発表する相馬教諭

今年度から、BYOD方式によるICT活用研究を計画していた県立大和南高校では、一斉休校を受けて計画を前倒しし、各教科・科目でオンデマンド型の授業動画配信を休校中にスタート。同校の相馬臣彦教諭はオンライン授業を軌道に乗せるために、生徒向けの操作解説動画を学校ホームページで配信したり、教員向けに授業動画を簡単に作成できる方法を共有したりして、ICT利活用の裾野を広げていった。

相馬教諭は「情報科として、オンライン授業に苦手意識を持っている人や消極的な人も巻き込んでいかないといけないと考えた。授業のデザインパターンを提案するのが、情報科の使命だ」と強調した。

県立生田東高校の大石智広教諭は「考察や探究の場面があり、生徒同士が対話できるオンライン授業をどう実現するか」との問題意識から、オンタイムオンデマンド授業を提案。従来のオンデマンド型と同時双方向型の利点を組み合わせ、生徒は教師が配信した資料や動画に一斉に取り組みながら、クラウド上でアプリの共同編集機能やアンケート機能を活用し、意見を共有したり、コメント機能で教師に質問したりする授業を実践した。

例えば、情報科で情報モラルを学ぶ授業では、導入場面でSNSによくあるトラブルについての動画を生徒が視聴した後、教師がリアルの会話との違いについて質問を投げ掛け、生徒が回答。生徒は再び動画でインターネット上の情報の特徴を確認し、SNSを利用するときに心掛けるべきことをプレゼンテーションアプリの共同編集機能を使って記入し、リアルタイムで共有した。こうしたオンタイムオンデマンド授業は、他教科でも行われたという。

大石教諭は「生徒が一緒に学び、多様な理解の仕方を提供することが重要だと考えた。オンデマンド型は同時双方向で学ぶことが難しい一方、同時双方向型は少し遅れて授業に参加したり、急なトラブルに対応できなかったりする。オンタイムオンデマンド型ならば、授業に少し遅れて参加しても間に合う。科目や授業に合わせて、さまざまなやり方を柔軟に組み合わせることが大切だ」と説明した。

昨年度まで神奈川県教委でICT推進担当課長だった柴田功校長が中心となって、オンライン授業の取り組みを県内でもいち早く始めた県立川崎北高校では、ドリル型の学習課題だけでなく、一部の教科でパフォーマンス課題も出した。例えば、美術で疫病よけの妖怪として注目された「アマビエ」の絵を描かせたり、英語でスピーチを録音して提出させたりした。

情報科では、自己紹介を兼ねたプレゼンテーションスライドを作成した上で、発表している様子を動画で自撮り。「カメラ目線で話をしているか」など、生徒には事前に評価の観点を伝えることで、何度も動画を撮り直し、生徒自身が評価の観点に基づいて見直しや改善をするようになったという。

柴田校長は「オンラインでパフォーマンス課題を出したという話は、あまり聞いたことがない。こういう取り組みは、やれるところからどんどんやっていくべきだ」と呼び掛けた。

次のニュースを読む >

関連
関連記事