「スマホを使って授業を」 藤原和博氏がオンライン講演

「ポストコロナの新しい教育のありかた」をテーマに、教育改革実践家の藤原和博氏が6月26日、教員などを対象にオンライン講演会を開いた。新型コロナウイルスの感染拡大で社会変化が加速する時代、子供たちの教育にはICTの活用が大きな効果をもたらすとして、生徒がスマートフォンを使って自由に意見を発表するなど、新しい授業法を紹介した。

藤原和博氏

藤原氏はAIやロボットの躍進を背景に、「正解を早く導き出す『情報処理能力』があれば社会で通用した時代は終わり、これからは正解が一つではない問題を徹底的に考える『情報編集力』が高い人材が求められる」として、子供に結論を押し付けない教育が必要だと強調した。

例として、授業では「こうだよね」と一方的に正答を示すのではなく、子供たちの発言を「いいね」と盛り上げながら、「こういう考えもある」と、子供たち一人一人が納得できる答えを導くことが大切だとした。

社会変化の加速に対応した教育ではICTの活用が不可欠だとし、中学生や高校生の授業にスマートフォンを使うことを提言した。教師が授業で言っていることが分からない生徒は、スマホを使ってその場で調べる。

挙手で意見を求めれば、大抵の場合は決まった生徒しか手を挙げないが、「全員、意見を20字から30字くらいで打ち込んで」と言えば、LINEなどのやりとりに慣れている生徒たちは、すぐに返信する。それを黒板の脇のスクリーンに無記名で一斉に映し出せば、自由な意見が活発に交わされると説明した。

終えた授業についても「よく分かった」「分からない」などと選ばせ、教師自身がその場で評価を受けることも可能だと述べ、「授業ではパソコンかタブレットという認識を改めて、生徒の身近にあるスマホを徹底的に使う発想があってもいい」と強調した。

また、授業の効率を高めるため、教室でICT教材を活用することの利点も挙げた。「例えば、小学校の先生が英語もプログラミングも音楽も、全教科を抱え込んで教えるには限界がある。もちろん、得意な科目の授業は自分でやるのが一番いいが、不得意な科目はネットの中にいる『最高の先生』を探し出して動画を教室に映し出し、子供たちと一緒に見ながら授業を進めればいい」とした。

AIやロボットの存在感が増していく時代となるが、「学校の先生には学びが好きな人が多い。好きなことを学んでいる姿をぜひ、児童生徒に見せてほしい」と要望した。

藤原氏は民間出身の校長として、東京都杉並区の中学校と奈良市の高校で校長を務め、従来の視点にとらわれない教育改革を実践してきた。同講演会はICT教材の企画開発、販売を行う「SRJ」が主催し、Zoomを使ったオンライン形式で行われた。

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