全国学力調査のCBT化 医学生の試験を例に議論

学校における学習者用端末の1人1台環境の整備と合わせて検討されている、全国学力調査のCBT(コンピューター使用型調査、Computer Based Testing)化について、文科省のワーキンググループは6月29日、第3回会合をWEB会議で開いた。今回は、すでに医学生を対象に行われている試験の事例を基に、全国学力調査に応用できる点や相違点を議論。調査の目的や測りたい能力を明確にした上で、出題や評価の方法を考えていく必要があることが示された。

共用試験について説明する石田達樹委員

会合では、委員の一人である医療系大学間共用試験実施評価機構事業部の石田達樹理事・部長が、2005年から行われている医学生対象の共用試験の事例を紹介。この試験では、医学生が臨床実習において、定められた範囲で診療に携わる前に、十分な知識や技能、態度を備えているかを測る。

石田委員によれば、知識・技能を測る部分は各医療系大学においてCBTで行う。さまざまな時期や場所で試験を行うことを想定して大量の問題を準備しておき、学生ごとに違う問題(総合的な難易度は同じ)をランダムに出題する。出題や評価はIRT(項目反応理論)という統計手法を用いて、異なる問題でも実力を客観的に測れるようにする。

他の委員からは、「全国学力調査でも、学校や自治体で学力を測りたいタイミングが異なることもあり、柔軟性が生まれるならばメリットがある」といった声が上がる一方、「従来の人員体制の中で、大量の作問をするのはかなり厳しい」という指摘もあった。

さらに別の委員からは「この試験は目標が明確で、医者の卵を評価するという目的に特化しているという点が重要。そのため、試験の方法を決めるときにも優先順位をつけやすい」との発言があった。

石田委員も、全国学力調査をCBT化するに当たっては「去年の60点の成績の子と、今年の80点の成績の子はどう違うのか、という比較が必要なら、IRTを導入しないとできない。『何をしたいか』がまずあり、次に『それに対応するには、どういう方法があるか』と考えていくようなアプローチをしなければならない」と指摘した。

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