コロナ時代の学校の業務改善 妹尾昌俊氏が解決法を講演

学校の働き方改革に取り組む日本教員多忙化対策委員会が主催する教員向けのオンラインセミナーが6月27日に開かれ、「コロナ時代の学校業務の改善」をテーマに、本紙「オピニオン」執筆者で学校業務改善アドバイザーの妹尾昌俊氏が講演した。

働き方改革の進め方について助言する妹尾氏(Zoomで取材)

冒頭、妹尾氏は再開後の学校の状況を「授業のコマ数を増やしたり、検温や消毒、報告書類が増えたりしている中で、新学習指導要領にも対応しないといけない。文科省が予算を付けても、そう都合よく外部人材が確保できるものではない。働き方改革はどこに行ったのかと、悩んでいるのではないか」と参加者に問い掛けた。

その上で、学校の働き方改革が進まない要因として、「なぜ働き方改革をするのか腹落ちをしていない(Whyの問題)」「何をしたらよいか分からない(Whatの問題)」「段取りができていない(HowやWhoの問題)」「分かっているけど動かない(The Knowing-Doing Gap)」を挙げ、教師が忙しすぎて、立ち止まって業務を見つめ直したり、自己研鑽(けんさん)に充てたりする時間も確保できないジレンマに陥っていると指摘。

これらの問題の解決に向けて、「Whyの部分をよく話し合う場を設け、教師が自分と向き合う時間が必要だ。Whatの問題は、しっかり可視化や分析をして診断をする。HowやWhoの問題はしっかり工程表を作って進捗(しんちょく)管理する。『分かっているけど動かない問題』は、家族を大切にすることや教師の過労死問題について、誰もが当事者意識を持つようにしてほしい」とアドバイスした。

セミナーでは、千葉県柏市教委と日本教員多忙化対策委員会が2018年度から共同で取り組んだ、市立柏の葉小学校の働き方改革の成果も報告。

同委員会では、柏の葉小のさまざまなデータやアンケートの分析を行い、教員がやりがいにつながりにくく、負担も大きいと感じている業務を抽出。クラブ活動の指導を大会前だけにしたり、通知表の所見を年2回に減らしたりするなどの見直しを行った。その結果、過労死ラインを超えて働いている教員の割合を0%にするなどの多忙化解消につながった。

この知見を生かし、同委員会はさまざまなデータを入力すると、改善すべき業務上の課題が可視化されるツール「学校の健康診断」を開発。今年度は自治体での効果検証を予定している。

次のニュースを読む >

関連

あなたへのお薦め

 
特集