【コロナ時代の教育】役割増すESD 住田昌治校長が講演

新型コロナウイルスによって、日本の学校にとって持続可能な開発のための教育(ESD)が「自分事」になる――。国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた教育の役割を考える有志の会「SDG4.7プロジェクト運営会議」が主催するイベントが6月27日、オンラインで開かれ、アフターコロナにおける学校教育の価値について「カラフルな学校づくり」で知られる住田昌治・横浜市立日枝小学校校長が講演した。

アフターコロナの学校におけるESD実践の重要性を語る住田校長(Zoomで取材)

長期間に及んだ休校や感染防止対策を徹底した上での学校再開など、新型コロナウイルスへの対応に追われる学校。住田校長は「コロナ以前の学校に戻ろうとしているが、コロナ以前の社会や学校が持続可能だったかといえば、決してそうではない。だからこそ今、持続可能な社会にするための教育をしなければならない。戻るのではなく、前に進んでいくべきだ」と強調。そのキーワードとして「行動変容」と「自分事」を挙げた。

行動変容について住田校長は、国の緊急事態宣言などによって、国民一人一人の行動変容が求められるようになったが、その実態は行動制限であり、本来の行動変容は自らの意思で生活や価値観を変えていくことのはずだと問題提起。

学校でも新型コロナウイルスの対応が急務となる中で、文科省や教育委員会から送られてきた通知の内容を校長が教職員に伝えるという上意下達の流れが強まった結果、対話を通じてコミュニケーションを取りながら合意形成していく視点が失われ、指示待ちや思考停止が起きていると警鐘を鳴らした。

また、コロナ危機はあらゆる人が当事者となり、この問題を自分事として考えるようになったと指摘。自分には関係ないと思っている世界のさまざまな問題についても、自分事として捉えることが今後一層重要になるとし、まずはその問題について「知ること」が、その第一歩になると説明した。その上で、教師が地域に出て、SDGsに取り組むさまざまな人たちとつながりをつくりながら、子供を主体としたESDの実践を展開していくことを提案した。

アフターコロナの学校の在り方として、住田校長は参加した教師に向けて「学校再開で教師は疲弊している。そこでもう一度、働き方を見直してほしい。それはどういう授業をするかにもつながる。もっと子供に任せていい。例えば、いじめや不登校など、教師にとって身近な問題を解決していくことは、SDGsの目指す平和へとつながっていく。身近な課題を解決することがSDGsの目標達成につながる」と呼び掛けた。

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