【個別最適化】特異な才能、どう伸ばす? 中教審で議論

「個別最適化された学び」に関連し、中教審教育課程部会(第117回会合)は6月30日、特定分野に特異な才能を持つ児童生徒への対応や支援について議論を行った。全員が一律で同じ取り組みを行う授業では、こうした子供の知的好奇心を十分に満たすことが難しく、また他の子供との間でトラブルが発生することもある。全ての児童生徒が個性や能力を伸ばすためには、教員が特異な才能を見いだし、開花させるための知見が必要だといった意見が挙がった。

議事進行を行う天笠茂・教育課程部会長(千葉大学特任教授)

会合では愛媛大学教育学部の隅田学教授が、才能と学習困難を併せ持つ子供がいることを紹介。例えば特別支援教育を受ける子供では、観察・実験の結果を分かりやすく伝える、知識を素早く理解して覚えるといった一般的な能力は比較的低いものの、人とは異なる考えややり方を気にせずに発表するなど、独創性が高いことを示した。

隅田教授は、こうした傾向のある子供に対応するに当たって、「公教育で何かしらの手だてをしないと、家庭の所得などにより格差が生じてしまう」と指摘。

全ての子供が才能を伸ばすための授業の方法として、小学5年生の理科「ものの溶け方」の単元で、前半で基礎知識をコンパクトにまとめて提示し、後半では個人が自由課題を重点的に行う実践について紹介した。

また、東京大学先端科学技術研究センターの福本理恵特任助教は、特異な才能を持つ多様な子供たちを支援する選抜プログラム「ROCKET」を紹介。

同プログラムで学んでいる「破壊的イノベーションを生みそうなユニークな子供たち」の中にも、好奇心旺盛にさまざまに学び続ける「ロケット型」、興味関心領域を深く掘りながら学ぶ「サブマリン(潜水艦)型」、いろいろな知識の関連性を上から俯瞰(ふかん)して学ぶ「バルーン(気球)型」といったさまざまな特性があり、また不登校や読み書き困難の割合が一般より高いことを紹介した。

委員からは「特異な能力を持つ児童生徒は必ず一定数はいる。そういった児童生徒を見いだし、力を伸ばすにはどんな道があるか。教職を目指す学生には、しっかり身に付けさせる必要がある」「一斉授業が悪いわけではなく、発展的な学習を充実させることが重要」といった指摘があった。

中教審は今回の議論も踏まえ、7月17日に開かれる「新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会」で、これまでの教育課程部会の議論を取りまとめる。

次のニュースを読む >

関連
関連記事