高校新指導要領の国語巡り 学術会議が科目見直しを提言

高校の新学習指導要領の国語を巡り、日本学術会議は6月30日、共通必履修科目や選択科目の構成を見直すよう求める提言を発表した。古典についても、現状の授業では古典嫌いや古典への無関心を生み出していると批判し、近現代と江戸時代以前を分ける考えから脱却し、小中高で同じ教材を繰り返し学んだり、古典芸能を活用したりするといった改善案を示した。

2022年度からの高校新学習指導要領では、共通必履修科目が「現代の国語」と「言語文化」に、選択科目が「論理国語」「文学国語」「古典探究」「国語表現」となり、現行の学習指導要領に比べ科目が細分化される。

提言では、共通必履修科目について、現行学習指導要領の「国語総合」から「現代の国語」と「言語文化」の2科目に分かれたことで、現代社会と古典を分断してしまう結果をもたらすと問題視。選択科目でも、現代文が「論理国語」と「文学国語」に分割されたため、論理と文学が相反する領域であるかのような誤解を与えてしまうと指摘した。

これらを踏まえ、提言では長期的な視点として、共通必履修科目は「現代の国語」と「言語文化」を統合した「総合国語」を設けること、選択科目は「論理国語」を「思考と言語」に、「文学国語」を「言語と創造」に、「古典探究」を「言語文化」にそれぞれ改編し、これに情報社会に対応した実践的な表現力を身に付ける「国語表現」を加えた4科目構成とすることを提案した。

また、現状の高校の国語における古典教育は、品詞分解や現代語訳に偏った受動的な授業が展開され、結果として多くの古典嫌いを生んでいると批判。近現代文学と江戸時代以前の文学を分けずに、現代の視点から連続性と差異に注目して、従来の精読を核としつつも品詞分解的な文法力に頼らないで文章を読み解く訓練や、現代語訳をせずに古文のまま理解する読解法も併用していくべきだとした。

さらに、小学校や中学校で扱った作品を高校でも取り上げて、解釈を発展させていく活動や、耳で古典に親しむこと、古典芸能を積極的に教材に取り入れることなどを改善策として挙げた。

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