「徳島県から学校ICT改革を」 県知事ら文科省に提言

徳島県の飯泉嘉門知事は7月2日、青山周平・文部科学大臣政務官と面会し、EdTechを活用した教育の推進などについて提言した。同県では山間部も含め、国内屈指の高速インターネット環境が整備されており、ITベンチャー企業のサテライトオフィスが集積する。学校においても、ICTを活用した個別最適化や教育データの分析について、徳島県でモデル事業を行ってはどうかと申し出た。飯泉知事によれば、青山政務官は「ぜひ一緒に進めていきたい」と応じたという。

提言を手渡す徳島県の飯泉嘉門知事(左)と青山周平・文部科学大臣政務官

飯泉知事は「コロナ禍を経て、遠隔教育とその基盤を整備する絶好の機会となった。個別最適化をしっかり図っていく必要がある」と指摘。

高速・大容量、低遅延、多数同時接続が可能といった新時代の学校ICT環境を、教員の指導力を高めて十分に活用できるようにするとともに、収集した教育ビッグデータを専門家と連携して分析し、学習意欲の低下などの諸課題に対応していく必要があるとした。

その上で、教育活動にVR・AR、AI、ビッグデータをフル活用する「個別最適化モデル事業」を創設し、徳島県を舞台に効果検証を行うことを提言した。また、教育ビッグデータを分析し、学校や児童生徒個人にフィードバックするだけでなく、教育政策に生かすモデルを徳島県で検証してはどうか、と要望した。

徳島県は2000年代前半、地上デジタル放送への移行をきっかけに、県全域に高速インターネット環境を整備。東日本大震災後、災害時に事業を継続できるサテライトオフィスを求めていた首都圏のITベンチャー企業を誘致し、過疎集落で空き家となっていた古民家をオフィスとして活用する、先進的な地方創生の取り組みで知られる。

学校においてもICT環境の整備を進めており、文科省の調査(2018年度末時点)によれば、徳島県の教育用コンピュータ1台あたりの児童生徒数は3.7人/台(全国第5位、全国平均は5.4人/台)、普通教室の有線LAN整備率は63.5%(全国第6位、全国平均は41.0%)となっている。

飯泉知事は「大口ユーザーが多い東京や大阪に比べて通信速度が非常に速く、これを教育に使わない手はない。まずは徳島で遠隔教育を実践し、全国に横展開していくのはどうか」と自信を見せた。

他にも、現状8人以下となっている小中学校特別支援学級の学級編成基準を特別支援学校と同等の6人以下に引き下げることや、重度障がい学級の編成基準について弾力的な運用を行うことなどを提言。

さらに、「新しい生活様式を授業で実践するには、40人学級ではなかなか“密”だろう。徳島県では30人程度が一般的だが、本来は20人程度が望ましく、国が本腰を入れる必要がある」と述べ、少人数学級の実現に向けた提言も行っていくことを明らかにした。

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