感染第2波でも一斉休校求めず 大阪府が方針決める

大阪府の新型コロナウイルス対策本部会議が7月3日に開かれ、今後、感染拡大の第2波、第3波に見舞われても、原則として府内の学校に一斉休校を求めず、府立学校は分散登校とオンライン授業を組み合わせて対応する方針を決めた。市町村立の小中学校などは地域の感染状況に沿った対応を市町村ごとに講じるが、判断に必要な内容を府が支援していく。学びのさらなる遅れを避けるため、学校教育活動と感染防止対策の両立を図ることにした。

対策本部会議では新型コロナウイルスの感染状況によって休業などを要請する「大阪モデル」を修正し、警戒や緊急事態には当たらない「グリーンステージ」、府民に警戒を呼び掛ける「イエローステージ」、非常事態を示す「レッドステージ」の新たな基準を決めた。

学校では、地域が「グリーンステージ」にある時は平常授業で、教室の人数も通常の40人までとし、手洗いやマスク着用など基本的な感染予防対策を講じる。感染拡大に警戒が必要な「イエローステージ」でも、授業形態や教室の人数の規制はせず、感染リスクの高い近距離での活動や合唱、管楽器の演奏などについて感染症対策のさらなる徹底を求めるとした。緊急事態を示す「レッドステージ」となってから、分散登校、短縮授業、オンライン授業を組み合わせた対応を求めている。「レッドステージ」では、密集などの「3密」を避けるために教室の人数も15~20人程度に減らして時差通学も取り入れ、感染リスクの高い近距離での活動、合唱、管楽器演奏などは実施しないとした。

学校現場に感染症対策の指針を示すのに当たり、対策本部会議では、3月から3カ月に及んだ一斉休校の効果と影響を総括した。感染症対策として見ると、府内一斉休校の効果を測ることは不可能だったと判断し、子供の安全対策として見た場合も「結果として児童生徒への感染は極めて限定的」だったと結論付けた。一方で、長期休校により子供たちの生活リズムが乱れ、心理的に不安定になる児童生徒も出たこと、家庭学習などでの学びの保障に学校や地域、家庭による差が見られたこと、子供が家庭で過ごすようになり保護者の負担が増したことなど、負の側面が大きかったとした。

また、文科省が5月に作成した「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」で、「新型コロナウイルス感染症と共に生きていく社会をつくるためには、感染リスクはゼロにならないということを受け入れつつ、感染レベルを可能な限り低減させながら学校教育活動を継続していくことが重要」と示したことも、地域が感染拡大の状況にあっても学校活動への規制を必要以上に厳しくしないという判断の基になった。日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会も5月に「医学的知見」として、「学校や保育施設の閉鎖は新型コロナウイルス感染症の流行阻止効果に乏しい」との見解を示していることも挙げた。

ただ、大阪府内で新型コロナウイルスの感染が急激に広がったり、児童生徒からクラスターが頻発したりするなど、深刻な状況になった場合は、府として一斉休校の是非を判断するとした。

また、学校で児童生徒や教員から感染者が確認された場合は、保健所の指示や助言を踏まえて、当該校を対象に、感染拡大防止に必要な期間を臨時休校にするとした。感染が判明した児童生徒らは治癒するまで出席停止とする。濃厚接触者とされた児童生徒は、感染者と最後に濃厚接触した日の翌日から2週間の出席停止とし、児童生徒らの家族に濃厚接触者がいる場合は保健所などと相談した上で個別に対応するとした。

吉村洋文知事は「学校を閉鎖することで、社会全体の感染拡大防止につながる効果は少ない。学校から陽性者が出た場合、一時的な休校は必要だが、できるだけ教育活動は進めていきたい」と、感染が拡大しても可能な限り学びの継続を図っていくとの認識を示した。

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