【入試改革】文科相「異なる民間試験の活用、難しい」

今後の大学入試について議論する、文科省「大学入試のあり方に関する検討会議」の第11回会合が7月7日、WEB会議で開かれた。国内外の英語民間試験の関係者が勢ぞろいし、試験の概要や大学入試に活用する際の論点が提示された。途中参加した萩生田光一文科相は各団体の発表を聞いた上で、「生い立ちや目的を説明いただき、かなりアプローチの違う資格団体の試験を、横串を刺してひも付けをして、大学入試に使うことの難しさを改めて感じた」と発言した。

会合に途中参加した萩生田光一文科相(写真奥右側)

発表したのは▽ケンブリッジ大学英語検定機構▽ブリティッシュカウンシル▽IDP:IELTSオーストラリア▽ベネッセコーポレーション(GTEC運営)▽日本英語検定協会▽CIEE(TOEFL日本拠点)▽国際ビジネスコミュニケーション協会(TOEIC運営)――の7団体の関係者。

国際的な試験として、ケンブリッジ大学英語検定機構試験開発部門の青山智恵・日本総括が、同試験は英語民間試験の共通基準とされているCEFR(セファール)と合わせて開発された経緯から、完全に準拠する唯一の試験であることを強調。

「高校卒業時に世界基準の英語力を証明する外部試験の活用も必要。国が開発する場合は、学習者を育てるためにテストを使うという視点で、10~15年をかけて共通テスト用の問題を構築してはどうか」と述べた。

一方で国内の試験として、ベネッセコーポレーションGTEC開発部の込山智之部長が「GTECは、英語力の評価だけでなく、次の指導・評価につなげるためのテストとして開発したもの。『使える英語』にこだわり、英語4技能を伸ばすことを目指してきた」と、学習指導要領に即した課題解決型のテストであることを説明した。

また昨年7月、英語成績提供システムへの参加を取り下げたTOEIC運営団体の、国際ビジネスコミュニケーション協会調査研究室の三橋峰夫室長は「共通テストとしての公平性・公正性の問題が指摘される中で、高校関係者などから『試験の実施予定を早く示せ』という要望があった。ただ、試験は大学など外部施設を借りて実施しており、大学の都合もあって早くからスケジュールを示せない。こうした準備を試験実施団体が全て自前で行うのは大きな問題だった」と、取り下げの経緯を明かした。

委員からは評価が不透明にならないか、利益相反へのチェック体制があるかなど、英語民間試験を活用するために乗り越えなければいけない課題についての質問が上がり、各団体はそれぞれ問題ないとの見解を示した。

例えば、IELTSを共同運営するブリティッシュカウンシルは利益相反に関して、問題集を出版する際のルールや承認の過程が細かく規定されていることを明かした。

他にも「受験生はどんな形で受験できるのか、費用負担がどうなるかが、最後の最後まで分からなかった。各団体は単純に手を挙げて『私たちもできます』というのではなく、例えば離島の生徒が受けやすくなるための提案など、各団体として担うべき部分がある」という、委員からの指摘もあった。

萩生田文科相は最後に「今後も各団体の知見をいただきながら、よりよいものにしていきたい」と述べ、今後の会合にも可能な限り参加することを表明した。

次のニュースを読む >

関連