和食とプログラミングの共通点 教員と料理人が講演

プログラミングと和食に意外な共通点――。今年度から全面実施を迎えた小学校学習指導要領で必修化されたプログラミング教育に、食育の視点を取り入れた東京ガス主催のセミナーが7月8日、都内で開かれた。プログラミング教育の研究を行っている東京学芸大学附属竹早小学校の佐藤正範教諭と、江戸懐石近茶流嗣家で文化庁文化交流使の柳原尚之氏が講演した。

プログラミングと料理の共通点を解説する佐藤教諭

同社ではこれまでも、食の専門家向けに調理科学を扱ったセミナーを展開してきたが、今回から食を通じた学びにテーマを一新。その第一弾として、プログラミング教育の実践家と料理人という、異色のスペシャリストによるコラボレーションが実現した。

参加者に向けてプログラミング教育が必修化された経緯を分かりやすく解説した佐藤教諭は、身近にあるさまざまなものにコンピューターが利用されるIoT(Internet of Things)の考え方が広まり、教育においてもSTEMをはじめとする既存の教科の枠組みに収まらない学びが重視されるようになったと説明。

現代の学校でコンピューターについて理解したり、プログラミングを経験したりすることは、器楽演奏や調理実習と同様に、協働性や問題解決、サイエンスなど、さまざまなものを学ぶ場になると強調した。

その上で、佐藤教諭はプログラミングと和食について、「両方とも段取りがあり、目標や目的、相手にどう伝えたいかを考えている。さらに、生活に直結し、背景や根拠に迫っていくサイエンスの要素もある。和食や食育を通じてプログラミングに関わっていけると思う」と共通点を挙げた。

実際の調理の場面を例に食育におけるプログラミングの要素を語る柳原氏

子供向けに和食についての絵本を出版するなど、食育への関心も深い柳原氏は、味覚や調理法、色彩についての和食の伝統的な考え方である「五味五色五法」を踏まえ、料理もプログラミングと同じように手順や材料を分解して、選択していると指摘。

柳原氏は「プログラミングでもそうだと思うが、料理でもトライアンドエラーの経験が大切。和食は水と調味料と食材の力で味をつくる。限られた選択肢でいかに味のバラエティーをつくるか、どういう順番で入れるかは科学だ」と述べ、「料理とプログラミングは、ゴール設定がしやすい上に創造の余地があり、トライアンドエラーを繰り返しながら問題解決していく。そして、判定は自分でできる。そういった親和性がある」と考察した。

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