小中でも主権者教育を強化 文科省の推進会議が柱を検討

今後の主権者教育の在り方を検討している文科省の主権者教育推進会議は7月9日、第10回会合を開き、これまでの議論を踏まえ、中間報告に向けた論点整理に着手した。選挙権の18歳への引き下げや、高校新学習指導要領で必履修科目に位置付けられた公民科の「公共」の開始をにらみ、小中学校でも主権者教育の取り組みを強化していくことなどを柱とする「たたき台」が文科省側から示された。

論点整理に向けた議論に入った主権者教育推進会議

たたき台は①各学校段階での主権者教育の充実②家庭や地域における主権者教育の推進③メディアリテラシーの育成――の3本柱で構成され、この日の会合では①を中心に検討が行われた。

高校では、新しく始まる「公共」で主権者教育の充実が図られる一方、高校卒業後の19歳の投票率は18歳の投票率と比べて低い傾向にあるなど、現状の主権者教育では知識の定着や意識の向上につながっていない可能性があると指摘。

専門家や関係機関と連携した取り組みを学校全体で進めることや、模擬選挙の結果と実際の選挙結果の違いを振り返るといった活動を通じて、自立した主体として社会に参画するために必要な資質・能力を育成することが論点に挙げられた。

また、高校段階からでは主権者教育は遅すぎるとして、小中学校での取り組みや校種間の連携強化も盛り込まれた。社会で起こっている具体的な事象をどのような形で、模擬選挙などで取り上げるべきかといった指導上の工夫も課題とした。

委員からは「これまでは社会的な事象は学校でなるべく触れないとしていたが、18歳選挙をきっかけに改革されることになった。学校現場が変容するには、段階的に、長い時間軸で見ていく必要がある」「高校でも、リアルな政治問題を取り上げた主権者教育の実施はまだ低い。選挙の仕組みを教えるだけでは本来の主権者教育にならない。生徒会活動も形骸化している。もっと生徒会活動で活発な議論を促すことが、主権者意識の涵養(かんよう)につながる」などの指摘が出た。

推進会議では10月をめどに中間報告を取りまとめ、来年春ごろに最終報告を出す方針。

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