独自に「オンライン通学」の試み 千葉大教育学部附属小

新型コロナウイルスの影響で3カ月に及んだ長期休校中に、ICTを活用して学びの保障につなげた千葉大学教育学部附属小学校(千葉市)の取り組みを紹介する、超教育協会(会長・小宮山宏三菱総合研究所理事長)のオンラインシンポジウムが7月9日、WEB上で開かれた。対面授業ができない中、手探りで始めたオンライン授業を軌道に乗せた取り組みを今後につなげようと、同校は週明け13日から31日まで、児童の大半が在宅で授業を受ける独自の「オンライン通学」を行うとした。

同シンポには、千葉大教育学部附属小学校から大木圭・副校長とICT活用教育主任の小池翔太教諭が出席。グループでチャットやビデオ会議ができるマイクロソフトの「Microsoft Teams」を活用し、長期休校中に児童の家庭学習を支えた取り組みを紹介した。

同校は千葉大が包括契約を結んでいた「Microsoft Teams」のアカウントを2月26日に発行申請。翌27日には安倍晋三首相から全国の小中学校と高校などに一斉休校の要請があり、長期休校に入った3月2日から全校児童にオンライン授業を始めたという。3月の間は学校のホームページにPDFを使った課題を載せる簡易的なやり方だったが、教員が在宅勤務を始めた4月半ばから本格的なオンライン授業を導入した。基本的には児童の家庭にある端末機器を使ってもらい、貸し出しの支援も行った。

対面授業ができない中、「Microsoft Teams」を使って児童がグループを組んで学び、画面を通じて級友と交流しながら学習成果を上げた。教員が児童の相談を受ける時も、このツールを使って1対1で手軽にできるようになった。「学校に行けず、さみしい思いをした子供たちに学びの保障ができた」と、小池教諭は振り返った。

一方で、オンライン授業を推進することの課題として、大木副校長は「通信環境を整えるのが難しい。例えば、千葉市で100校の子供たちが同時にアクセスしたらパンクするのではないかと心配」と話し、通信環境は行政が責任をもって整備すべきだとした。また、進行中の授業を家庭から保護者も見られるようになると、「授業が監視されているようで、先生は窮屈になり、プレッシャーを感じるのではないか」と、不安な面があることを挙げた。

課題はあるものの、オンライン授業を推進する利点は大きいとし、大木副校長の発案で同校は7月13日から31日まで、「オンライン通学」を実施すると決めた。児童の大半は在宅で、共働き世帯など事情のある児童は登校し教室で、同じオンライン授業を受ける。同校は電車など公共交通機関を使って通学する児童が多く、夏休みが短縮された中、熱中症対策とするのが主な理由という。副次的に、教員の働き方改革にもつながると期待している。

大木副校長は「オンライン学習は非常に魅力的な時間」と手応えをのぞかせる。「オンライン通学」の効果を検証し、オンラインでも学べることは何があるのか、教材をどう工夫したら子供たちの学習意欲を高められるかなどを整理した上で、来年度以降も児童が自宅で学べるオンライン授業を組み込んだ教育を進めたいとした。

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