男性シニア保育士が提案 ICTでの働き方改革で魅力化

保育人材の確保に向けて、保育士の仕事の魅力向上策について議論している厚労省の「保育の現場・職業の魅力向上検討会」は7月10日、都内で第3回会合を開いた。同省が全国の保育士らから募集した意見や保育関係者からのヒアリングを踏まえ、保育士の人材確保や働き方改革に向けた取り組みについて意見交換を行った。ヒアリングでは、定年退職後に保育士資格を取得し、男性シニアの保育士として活躍する髙田勇紀夫さんが、保育現場でのICTやシニア人材の活用について提案した。

保育現場の魅力化を議論した厚労省の検討会

勤務している認可保育所で子供たちから「じじ先生」と呼ばれているという髙田さんは、保育現場でのICTやシニア人材の活用について提案。「保育業界に入って感じたのは、紙が多いこと。はんこを押して残さないといけない書類が多いのが日本の保育現場の特質で、改善すべきだ」と指摘した上で、報告書の作成などの事務処理時間をICTの活用で短縮したり、データ化して分析したりできるようになれば、空いた時間を子供、保護者への対応や保育士自身の休暇取得に充てられるとメリットを強調した。

さらに自身の経験を踏まえ、週3日勤務などでシニアが保育士として勤務できるようにすべきだとし、シニアをターゲットにした保育人材育成に向けた取り組みを広めるよう求めた。

また、この日の会合では、今年1~2月に同省が実施した保育の魅力向上に関する意見募集の結果も報告された。意見は合計で2613件が寄せられた。それによると、保育士の職業としてのやりがいや魅力として、大半を占める2511件の回答者が子供と関わる面白さや成長を実感できることを挙げていた。

職場としての保育所の魅力に関しては、「職員同士協力して、子供たちのためにさまざまな経験の機会を提供できる」「子育てしながら働く母親の大変さを理解してもらいやすい」などの好意的な意見が見られた。

一方で、国や自治体に取り組んでほしい魅力向上策では、専門職に見合った処遇改善や、保育時間・労働時間の長時間化の解消、配慮を要する子供への対応支援、事務仕事の改善、配置基準の見直しなどを求める意見もあった。特に、賃金や昇進などの労働環境に関する意見は1334件を占めた。

これらを踏まえ、委員からは「髙田さんのお話に共感を覚えた。保育の現場では、手作りで温かいものでなければならないという論調が強く、ICT化が足踏みしてしまうケースもある。保育の課題なのか業務の課題なのか、整理する必要がある。手作り感と合理性をどう整理して職場の魅力、保育の魅力につなげるかだ」「新型コロナウイルスの影響で、オンライン研修会が一気に広まった。地域間格差や、時間がなくて研修に行けないということがなくなる。ICT化はこれからどんどん進むのではないか」「シニアの活用は以前から言われていて、朝や夕方など、人手が不足する時間帯の穴埋めとして期待されていた。しかし、これからはもっと日中の時間帯も含めて、シニアに来てもらうことが必要だ」などの意見が出た。

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