緊急給付金、必要な学生に届かない実態も 学生団体調査

新型コロナウイルスの影響で経済的に困窮した大学生らに対し、文科省が創設した「学生支援緊急給付金」について、大学などの学費・奨学金制度の改善を求める学生団体・高等教育無償化プロジェクトFREEは7月14日、学生への支給の実態に関する調査結果を公表した。経済的に困窮しているが採用されなかった学生や、支援対象となることを知らず申請しなかった学生が一定数いることが分かり、同団体は学生の困窮状況に応じた柔軟な支援や、授業料の半額免除などの措置を同省に求める。

記者会見する高等教育無償化プロジェクトFREEの齊藤皐稀さん

同団体は6月15日から7月12日にかけてインターネットを使ってアンケートを行い、320人の学生の声を集めた。その中には、給付金の支給要件すべてに該当するにもかかわらず、「保留」とされ受給に至らなかった例や、家庭からの支援がないのに自宅通学だからという理由で選考に落ちた例があったという。

また、学費・生活費を捻出するためにアルバイトを続けたことで、支給要件のうち「アルバイト収入が大幅に減少」に該当せず、大学側から「アルバイト収入に関する書類を提出した人を優先する」と言われ、申請を諦めた学生もいた。

同省が示した要件は①家庭から多額の仕送りを受けていない②原則として自宅外で生活している③生活費・学費に占めるアルバイト収入の割合が高い④家庭の収入減少などにより、家庭からの追加的支援が期待できない⑤コロナ感染症の影響でアルバイト収入が大幅に減少している⑥修学支援新制度や奨学金など既存制度を利用している――の6つ(留学生の場合は別途要件あり)。

同省は、これらの要件すべてを満たさなくても支援対象となりうるとして、「最終的には、大学側が学生の自己申告状況などに基づき、総合的に判断を行う」と強調している。

しかし、「厳しい要件すべてに当てはまらない多くの学生が申し込みを諦め、文科省が示した要件緩和を知らなかった学生が多くいる」と、高等教育無償化プロジェクトFREEの齊藤皐稀(こうき)さん=東洋大学3年=は指摘する。

こうした実態を受け、同団体は▽すべての要件を満たさない場合でも支援の対象になりうることについて、政府が緊急に情報の周知を徹底すること▽家計の収入は低くなくても、「家族の理解がない」「兄弟が多い」「家庭から支援を受けられない」など、困っているすべての人に支援が届くように弾力的に制度を運用すること▽大学などの一律の授業料半額免除――を求めるとしている。

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