英語力高い中学は小中連携、高校はICT活用 文科省調査

文科省は7月15日、公立小中高における英語教育の状況に関する調査(2019年度「英語教育実施状況調査」)の結果を公表した。中学校は小中連携が行われている地域で、高校はICTを遠隔交流や話すことに活用している地域で、目標とする英語力の水準に到達している生徒の割合が高いことが明らかになった。同省の担当官は「ICTを使いさえすれば生徒の英語力が上がる、というほど単純ではないが、結果を出しているところはICTを授業改善に使っている」と分析する。

同省は中学校でCEFR のA1レベル(英検3級)相当以上、高校で同A2レベル(英検準2級)相当以上の英語力を有する生徒の割合を50%以上にすることを目指している。今回の調査では、目標とする水準に到達している生徒の割合は中学校で44.0%(昨年度42.6%)、高校で43.6%(同40.2%)となり、いまだ50%には達しないものの、改善が進んでいることが分かった。

ただ、都道府県・指定都市別にみると地域差が大きく、特に中学校ではさいたま市(77.0%)、福井県(61.4%)など目標値を大きく超えている地域もある一方、3割台にとどまっている地域も少なくない。

そこで同省では、生徒の言語活動、教師の英語使用、ALTやICTの活用、小中連携など、都道府県・指定都市で行っている授業改善の取り組みと、生徒の英語力との関連を分析。全体的な傾向として、授業改善に関する取り組みが行われている地域では、英語力に関する指標が高い傾向が見られた。

取り組みの中でも特に、中学校では小中連携カリキュラム、高校では遠隔交流や話すことでのICT活用と、高い英語力との間に相関があった。また、授業改善の一環として検定試験を受験させている地域でも、英語力の指標が高い傾向があった。

小中連携については調査対象の中学校9340校のうち、小学校との連携に取り組んでいる中学校の割合は82.0%だが、地域により40%台から100%と差が大きい。連携している学校でも情報交換や交流が主で、カリキュラム作成まで行っている学校は少ない。

文科省の担当官は「小学校の新学習指導要領の実施で、中学校に入ってくる子供たちの姿、学習経験や身に付けてきた力が変わってくる。小中連携の割合は100%に近づけなければいけない」と話した。

またICT活用の具体的な内容を見ると、教師がデジタル教材を活用した授業を行っている割合は、小中高のいずれでも9割以上と高い一方で、児童生徒がパソコンなどを用いて発表や話すことにおけるやり取りをする活動を行っている割合は4割台と低い。

さらに、児童生徒が遠隔地の児童生徒や英語に堪能な人と会話する活動を行っている割合は、高校でも6%にとどまっており、同省は「児童生徒自身がICT機器を操作する活動や、遠隔地とつないでコミュニケーションを取る活動にさらなる活用が望まれる」と指摘する。
小学校では英語力に関する目標を定めていないが、今年度は専科指導やALTの人数、授業に入る割合が増加。同省は「学級担任、専科指導担当教師、ALTなど、それぞれのよさや役割の理解を認め、効果的に力を発揮できるようにすることが必要」としている。

この調査は2013年度から行われており、調査対象は各都道府県・市町村の教育委員会と全ての公立小中高。今回の調査は昨年12月時点のもの。

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