IT新戦略の柱にオンライン教育を初めて位置付け 政府

2020年の政府のIT新戦略(世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画)について、政府は7月15日、首相官邸で会合を開いた。デジタル化を社会変革の原動力とする「デジタル強靭(きょうじん)化」を推進するに当たり、その柱の一つにオンライン教育などの「学び改革」を位置付ける方針を示した。政府が教育のICT化をIT新戦略の重要な柱に据えるのは初めて。17日に閣議決定する。

会合で発言する安倍晋三首相(首相官邸ホームページより)

会合では、「新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた学校の臨時休業など、非常事態における遠隔教育の重要性が再認識され、学校内での活用のみならず、家庭内でのオンライン学習環境の整備が急務」との見方が示された。

具体的には▽今年度中の義務教育段階の児童生徒1人1台端末の実現▽在宅・オンライン学習に必要な通信環境の整備・支援▽端末の家庭への持ち帰りを可能とすることを前提としたガイドライン策定▽教育現場の支援体制の充実▽学校を含む地域の光ファイバー整備――などの方針を盛り込んだ。

さらに今後、新型コロナウイルスによる臨時休校などの緊急事態が起こった場合に備え、学びの継続や遠隔教育の有効な活用を可能とする環境整備の方策について検討する。また1人1台端末の配布に合わせ、転校や進学などにもかかわらず継続的に、学習ログや健康状態などのデータ連携・分析を可能にするための標準化や利活用を進める。

会合に参加した萩生田光一文科相は「災害時における学びの保障やGIGAスクール構想、また人材育成も含め、教育のデジタル化に取り組んでいく。さらに文科省のデジタル化も進めていく」と述べた。

安倍晋三首相は「国民本位の行政のデジタル化を阻んできた最大の原因は、国や地方の情報システムがバラバラで、十分な連携がなされていなかったこと。この機に、IT本部が中心となって、国や地方のシステムを統一的に整備することを原則として、そして行政分野のデジタル化と行政データの見える化を集中的に実行していく必要がある」と発言。

国の情報システムについては、各府省が個別に契約することなく一括して調達・整備する方針へと今後3年間で移行し、自治体についても今後5年間で、全ての自治体で共通的なサービスを提供できる仕組みを実現していくとした。

政府は年内に、国と地方のデジタル基盤の統合の指針と工程表を策定する。

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