教職員への感染防止対策「緊急に必要」 全教が実態調査

新型コロナウイルスの感染拡大による児童生徒の学びと学校現場の実態について、全国の教職員で構成する全日本教職員組合(全教)は7月16日、文科省で記者会見を開き、アンケート調査の集計結果を公表した。休校中のオンライン授業は約3分の1の学校で実施されているものの、小学校で双方向のオンライン学習は4.1%にとどまるなど、オンラインによって学びを保障する環境が整っていない現状がはっきりした。また、職員室で3密を回避する対策をとっている学校は約半数にとどまっており、教職員への感染防止対策が喫緊の課題となっていることも浮かび上がってきた。

アンケート調査の集計結果を説明する宮下直樹・全日本教職員組合(全教)中央執行副委員長(中央)ら

同調査は、全教が都道府県組織を通じて各学校の分科会に依頼し、それぞれの代表者が回答した。回答総数は785校(小学校271校、中学校110校、高校294校、特別支援学校88校、その他=義務教育学校や一貫校など=9校、無回答13校)。31都道府県から回答が寄せられたという。

設問では、まず、休校中の取り組みについて聞いた。家庭学習用の課題を配布した学校は91.0%だったが、定期的な家庭連絡を行っていた学校は72.3%(小学校68.4%)にとどまった。家庭学習用の課題を配布しただけで、児童生徒へのケアや指導ができていなかった学校が相当数あったことが推測される。

また、オンライン学習の取り組みでは、47.0%の学校が何らかの形で実施したと答えた。中心となったのは授業、教材、TV放映などを一方向で流す形で、全体の36.1%を占めた。一方、教員と児童生徒が直接コミュニケーションをとる双方向で行った学校は10.9%で、このうち小学校は4.1%、中学校は8.3%だけしかなかった。

学校現場による自由記述欄では「都合のよい時間に学習できる。自分で学習する習慣がつく」と肯定的なコメントがあった一方、「保護者の支援がないと、オンラインではできない児童もいた。保護者の負担が多過ぎた」「動画を見られない家庭は学校とのつながりがほとんど絶えていた」「やっている子はすごくやっているが、やっていない子はやっていない。子供たちがどう理解しているかはつかみづらい」といった問題点を指摘する声も多かった。

全教では、休校期間中のオンライン学習について、「家庭や学校のオンライン環境は不十分で、参加できない子供も多く、保護者の支援がないと学習できないなど、全ての子供の学習を保障する環境は整っていない」と結論付けている。

教職員の感染予防対策や服務に関する設問では、在宅勤務を奨励した学校は73.1%、勤務時間を縮減した学校は11.8%、職員室の3密回避対策をとった学校は51.0%だった。

自由記述欄では、「再開後、かえって忙しくなり、免疫力低下が不安。クラスターが起きないと良いと切に思う」「勤務状況は逼迫(ひっぱく)している。在宅や交代勤務ができるよう、人を増やすしかないと思う」「職員室の3密回避対策は、初めのうちはいろいろと工夫していたが、児童が通常登校するようになった現在、なし崩しである。(中略)児童はともかく公務員の職員が感染源になってしまうのは避けたい」といった声が上がった。

こうした調査結果を受けて、全教では「在宅勤務の奨励はされているものの、勤務時間は縮減されていない。約半数の学校現場では、職員室の『3密』回避対策は行われていない。学校が再開されてから、実際には在宅勤務はほとんど取得できない」と実情を説明。その上で「教職員の感染リスクは高いと考えられる。在宅勤務や時差出勤などが可能となる、教職員の増員が緊急に必要」と指摘した。

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