アフターコロナの学校の働き方改革 オンラインでシンポ

社会に向けて学校の長時間労働などを問題提起している名古屋大学の内田良准教授らによるオンラインシンポジウムが7月18日に開かれ、アフターコロナにおける教員の働き方改革が議論された。登壇者らは、感染防止対策や学習の遅れへの対応で、学校現場の疲弊が一層進むと警鐘を鳴らした。

アフターコロナにおける働き方改革の視点を語る内田准教授(Zoomで取材)

同シンポには、内田准教授の他に、公立高校教員の斉藤ひでみ氏(筆名)、工藤祥子・神奈川過労死等を考える家族の会代表、日本労働弁護団常任幹事の嶋﨑量弁護士が登壇。

最初に、内田准教授が専門である学校リスクの観点から、再開後の学校現場では、消毒などの感染防止対策に熱中症対策も加わり、無限なリスクに対して有限なリソースをどう配分するかを考えなければいけない状況になっていると強調。教育についても、教員は有限であることを前提に、行事の精選など、優先順位を付けて業務を見直す必要があるとした。

内田准教授は「世論は今、劇的に変わっている。文科省が教員免許更新制度や全国学力調査、授業時間数の見直しを提案したことには驚いた。文科省のパフォーマンスだという人もいるが、これを盛り上げて実際に変えていく力にすることが必要だ」と強調した。

感染防止対策などで緊張を強いられている学校現場の状況を報告した斉藤氏は、休校期間中に取り組んだ双方向型のオンライン授業について、生徒の学びにつながるものとして評価。一方で「オンライン授業は普段の対面授業の4倍くらいの準備が必要だ。トラブル対応も教員が手探りでやった。休校期間中、対面授業ができない状態でのオンライン授業はできたが、今後、ハイブリッド型が求められると、倒れる教員が増える。ハイブリッド型ができれば素晴らしいが、教員やサポートスタッフを増やさないと、さらなる業務負担になる」と危惧した。

中学校で教員をしていた夫を過労死で亡くした工藤代表は、過労死に至る教員は1学期中に多い傾向を踏まえ、新型コロナウイルスへの対応で、教員がストレスや疲労をため込み、過労死のリスクが高まっていると懸念。

「7時間授業や夏休み短縮から来る疲労感が心配だ。つらいときはつらいと声に出してほしい。それが子供のためにもなる。抱え込まずにバーンアウトしないことが大事だ」とアドバイスした。

嶋﨑弁護士は、改正給特法で定められた、公立学校教員の勤務時間外の「在校等時間」の上限を1カ月45時間、年360時間以内とした文科省の指針について、自宅への持ち帰り業務の時間が含まれていない点を問題視。国の緊急事態宣言をきっかけに企業などで在宅勤務が広まったことを踏まえ、「(教員が)家庭で仕事をしても、労働時間となるはずだ。持ち帰り残業をさせて学校にいる時間を少なくしている」とし、指針の抜本的な見直しや持ち帰り業務も含めた労働時間の把握の重要性を訴えた。


関連