JAPAN e-Portfolioの運営許可取り消しへ 萩生田文科相

高校生の学習や部活動などの記録を電子的に蓄積し、大学入試の主体性評価に活用する「JAPAN e-Portfolio」(ジャパンeポートフォリオ)について、萩生田光一文科相は7月22日の衆院文部科学委員会で、同システムを運営する一般社団法人教育情報管理機構(山崎光悦会長)に対し、運営許可を取り消す方針であることを明らかにした。

衆院文部科学委員会で答弁する萩生田光一文科相

萩生田文科相は、国民民主党の城井崇議員からの質問に対する答弁で「(大学入学者選抜における多面的な評価の在り方に関する)協力者会議において、同機構の財務状況を不安視する意見が多く出された」と発言。

さらに「文科省としては、協力者会議でのご意見も踏まえ、運営許可を取り消す方針。運営許可が取り消された場合の事業停止に伴う必要な対応について同機構との調整や、利用者の登録データの取り扱いについて高校関係者・団体などとの調整を行っている」と説明した。

文科省はJAPAN e-Portfolioの運営主体に求める要件として、債務超過でないこと、事業運営に必要な資力を有していることなどを求めている。今年3月には有識者会議で審査を行い、2019年度の決算・事業報告で要件を満たさない場合には運営許可を取り消す場合があることを前提に、引き続き「許可(条件付き)」としていた。

今年6月に公表された19年度の決算報告によると、大学などJAPAN e-Portfolioを利用する一般会員からの会費収入6000万円を見込んでいたが、実際には利用する会員大学が少なく、会費収入は680万円にとどまった。賛助会員収入からの収入などを含めても、システム運用経費などを差し引くと、5299万円の経常赤字となっている(実際には契約変更により、システム運用経費は19年度、20年度に分割して支出)。

また、3月末における同機構の資産状況は、システム運用経費に関する未払金(5500万円)が負債に計上されており、資産(現金預金159万円)を大幅に上回る債務超過の状態となっている。

JAPAN e-Portfolioは、新学習指導要領で重視される「主体的・対話的で深い学び」の成果を記録して大学入試に活用する仕組みで、19年から同機構による運営が始まった。今年2月には、ベネッセコーポレーション(岡山市)のIDを取得しないと利用できないことが分かり、文科省がID管理システムの借用を解消するよう指導していた。

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