不来方高校バレー部の生徒自死 顧問による叱責が関連

部活動が盛んなことで全国的にも有名な岩手県立不来方(こずかた)高校で、2018年7月に当時3年生だったバレーボール部員の男子生徒が自死した問題をめぐり、岩手県教委の第三者委はこのほど、顧問による叱責(しっせき)と暴言が不安感や絶望感を増大させたとして、自死との関連性を指摘する報告書を取りまとめた。報告書では、生徒の異変に周囲の生徒が気付いていたことや、学校生活アンケートで「安心でない場所がある」と答えていたにもかかわらず、適切な対応を取らなかった学校側の問題も課題に挙げた。

報告書によると、生徒は1年生のころから試合に出場し、2年生の時点でバレーボール部のある大学からの推薦も得られていたが、以前から周囲の友人に「背が高いだけで運動能力は高くない」と話すなど、劣等感を抱いており、大学でもバレーボール中心の生活を続けることに不安を感じていた。

3年生になると、次第に顧問による指導が厳しくなり、プレーでミスが起きると「アホか」「もうバレーはするな」などの叱責が浴びせられることもあった。このころから言動がネガティブになり、手の甲に切り傷があるのを部員や家族から目撃されるようになった。

6月の高校総体の県予選決勝で同校が敗退した後、生徒は責任を一層強く感じるようになり、顧問の言動もエスカレートしていった。7月3日午前6時ごろ、母親が自死している生徒を発見。数日後に遺書が発見された。

報告書では、顧問の生徒に対する発言は、人格を否定し、意欲や自信、自尊感情を奪うものであったとし、指導の手段として社会的妥当性を欠き、指導の域を超えるものであり、教員としての裁量を逸脱したものだったと批判した。

また、生徒の自傷行為が疑われた傷や自死をほのめかす言動が学校の中で共有されず、3年生の6月に実施された学校生活アンケートでも、生徒が「安全でない場所がある」と回答していたにもかかわらず対応しなかったなど、学校側の問題も指摘した。

これらを踏まえ、第三者委は再発防止策として、生徒のSOSに気付き、学校がチームとして対応する相談体制の確立や、教員が不適切な指導を行った場合に、その問題点を正確に把握し、県全体で共有するシステムの構築を急ぐとともに、生徒が主体性を持って進路を選択したり、部活動の参加・不参加を自由にしたりするなどの「岩手モデル」の策定・実施を提言した。

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