【鈴木寛氏と安宅和人氏】統計探究に取り組む高校生にエール

データの利活用は、これからの社会の生命線となる――。統計やデータ利活用の探究で、全国の高校生や大学生、教員、専門家が交流し、学びの場を創出することを目的とした「FESTAT(全国統計探究発表会)2020」のキックオフイベントが7月24日、オンラインで開かれ、ヤフーCSOで慶應義塾大学教授の安宅和人氏が講演して、参加する高校生らにエールを送った。

「データの利活用は、これからの社会の生命線となる」と話す安宅氏

イベント冒頭では、本紙「オピニオン」の執筆メンバーで、東京大学・慶應義塾大学教授の鈴木寛氏があいさつ。現在、新型コロナウイルスへの不安から差別や混乱が起こっていることに触れ、「コロナ禍においては『正しく心配する』ことが重要だ。データサイエンスや統計を活用すれば、身近な人たちに正しいメッセージを伝えることができるはず」と話し、「皆さんは社会に貢献できる、とても重要な学問を学んでいる。切磋琢磨(せっさたくま)しながら、10年後には素晴らしいデータサイエンティストになってほしい」と激励した。

安宅氏は「“withコロナ時代”を考える」とのテーマで講演し、コロナ禍におけるデータ活用について説明。日々、感染者数を予測するシミュレーションなどが行われている現状について、「コロナという社会問題により、統計数理やデータの必要性が劇的に上がっている。これまで日本では、この分野の人材が少なすぎた」と指摘し、「データやAIの利活用が、どれほど社会を支えているか、未来を創っているかということが理解されたのではないか」と語った。

その上で、「データの利活用は、これからの社会の生命線となる。今は、産業革命級の巨大な変化の瞬間だ。膨大な量のデータをリアルタイムで処理できるコンピューターとアルゴリズムの進化によって、あらゆるものが自動化、可視化されている。今後は、データを使えるようにする人と、それを利活用する人に分かれていくだろう」と展望を述べた。

また、音楽ストリーミングサービスを例に出し、「21世紀の原油はデータだ。自然資源とは違って、データは使う目的がないと動かないし、十分な鮮度がないと価値がない。これらをよく理解して、使い倒せる人が必要だ」と強調。

「今後は新しい技術があらゆる産業に入ってくる。それを推し進めるのが皆さんの世代だ。未来は目指すものであり、創るもの。ぜひ未来をガンガン変えていってほしい」と高校生らに力強くエールを送った。

同イベントは「FESTAT2020」に参加する、スーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受けている高校を中心とした17校38チームの生徒と教育関係者らが全国30以上の地点をZoomでつないで行われ、YouTubeでも限定公開でライブ配信された。

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