高校「情報Ⅰ」の動画教材 情報処理学会が無償で公開

2022年度からの新学習指導要領への移行で、プログラミングが必修化される高校の情報科について、情報処理学会は7月29日、新学習指導要領で共通必履修科目として新設される「情報Ⅰ」の動画教材を制作し、順次公開すると発表した。動画教材は原則として無償で利用でき、プログラミングの実習など、情報科を担当する教員の研修や情報科の授業の中で活用することを想定している。

情報処理学会が無償提供を始めた動画教材

現行の学習指導要領では、情報科は「社会と情報」か「情報の科学」のいずれかを選択することになっているが、全国的に、プログラミングが学習内容に含まれていない「社会と情報」のみを開設している高校が多く、情報科の専任教員を配置せずに他教科の教員が兼任で受け持っているケースも少なくない。新学習指導要領でプログラミングやデータ活用などが入る「情報Ⅰ」が必履修科目となることから、文科省では教員研修用教材を作成するなど、指導力の向上に取り組んでいる。

こうした背景を踏まえ、動画教材は同省や民間企業などからの協力を得て、情報処理学会の研究者や高校の教員らが出演。プログラミングやデータサイエンス、情報セキュリティーなど、文科省の教員研修用教材の一部に対応した内容を7月29日から順次公開している。教材はYouTube上の解説動画とプログラミング実習教材で構成され、同学会のプロジェクトサイトから閲覧できる。

教材の全体進行を担当した辰己丈夫放送大学教授は「『情報I』では、コンピューターサイエンスや、データサイエンスなどの情報学の内容が従来よりも重視されるが、この分野になじみがない高校の教員もいる。情報学を領域としている本学会として教員の学びを支援すべく、教材を開発した。教員の研修資料や自学自習用の教材としてだけでなく、一歩先に進んで学習したい高校生や中学生、プログラミングを学びたい大学生や社会人にも利用してもらいたい」と話す。


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