急増する児童福祉司などの養成 厚労省WGで論点を協議

児童相談所の職員など、子供や家庭の福祉について専門的な支援を行う人材の育成や資質向上策を検討している、厚労省のワーキンググループは7月29日、都内で第4回会合を開いた。これまでの議論を踏まえ、研修や養成、人事制度に関する論点が示され、それを基にして具体的な方向性を話し合った。構成員からは、政府の児童虐待防止プランを踏まえ、急増する児童福祉司に関する人材育成の課題について、現状を懸念する意見が出された。

専門職の人材育成について協議する厚労省WG

深刻な児童虐待の事案に対し、児童相談所が多忙化し、十分に対応しきれていない課題を受け、政府は2022年度までに児童福祉司を約2000人程度、児童心理司を約800人増員するなどの方針を盛り込んだ「児童虐待防止対策体制総合強化プラン」を策定。児相の配置基準も見直されることとなった。そのため、児童福祉司をはじめとする専門職の人材育成やキャリア形成が、喫緊の課題となっている。

WGのこれまでの議論では▽法律で義務付けられた研修が知識偏重になってしまっている▽本来は他の児童福祉司の指導・教育を担う立場にあるスーパーバイザーに、人材不足のため経験の少ない児童福祉司がなっているケースが見受けられる▽自治体間で、同じ専門職の立場で異動することはほとんどない――ことなどが指摘された。

これらを踏まえ、この日の会合で示された論点では、研修方法や内容の見直し、採用や自治体間での人事交流の在り方、人材確保のための大学との連携強化などの方向性が盛り込まれた。

構成員からは「児童福祉司の任用研修は講義が中心になっていて、科目数が多い割に時間数が限られていて中途半端になっている。演習科目は特に身を入れて取り組まないと、役立つ技術は身に付かない。一方で、現場に配属されれば臨床経験が積まれるが、経験しっ放しではだめで、経験を振り返る機会が確保されないといけない」「実務経験を持たない人がスーパーバイザーをやっている自治体もあり、経験豊かなスーパーバイザーが育っていない。当面は、退職した経験豊かなOBをスーパーバイザーとして活用するような仕組みを検討してはどうか」「専門職としての採用をする自治体も出ているが、その後の異動が一般の行政事務職と同じで異動サイクルが早く、専門性が維持できない。福祉職としての独立した人事体制にしないと定着しない」などの意見が出された。

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