コロナの教育への影響は世界共通 各国研究者が意見交換

Withコロナにおける教育は世界の共通課題――。日本教育学会は7月31日夜、新型コロナウイルスがもたらした教育の問題について研究者らが語り合う、オンライン座談会の第4回を開いた。最後となる今回は、独ハンブルク大学のイングリッド・ゴゴリン教授(世界教育学会前会長)をはじめ、各国の教育学研究者が登壇し、新型コロナウイルスが各地の教育に及ぼした影響や、これからの教育課題について意見交換した。

世界各国の教育学研究者が協力する必要性を訴えるゴゴリン教授(Zoomで取材)

ゴゴリン教授はビデオメッセージで、新型コロナウイルスのパンデミックは「世界の教育システムと教育研究の間にある不平等を増大させることによって、最悪の影響を及ぼすのではないかと危惧している」と述べ、オンライン授業によって移民や社会的弱者の教育格差が拡大してしまうことへの懸念を表明。世界各国の教育学研究者が連携し、国際的な比較研究を強化する必要性を呼び掛けた。

次いで米国の大学について、ジェニー・J・リー・アリゾナ大学教授が、コロナ危機により海外からの留学生の大幅な減少が見込まれるが、授業などのオンライン対応が続けば多くの大学の経営が悪化すると、深刻な状況を報告。

物理的な移動を必要としない「ポストモビリティ」への対応が求められていると強調し、「これは、日本が世界をリードしてきた領域であり、日本をはじめとする東アジア地域が、教育へのテクノロジー活用で世界をリードする可能性を秘めている」と期待した。

新型コロナウイルスの封じ込めに成功し、世界から注目されている台湾からは楊武勲・国立曁南国際大学教授が登壇。台湾では「恐怖の代わりに教育。学習と防疫の両立」をスローガンに、感染防止対策の徹底や正確な情報提供を行うなど、中央集権的な教育システムが封じ込めに大きく貢献したとの見方を示した。

一方で、台湾の今後の課題として、「早期の段階でプログラミング能力を育てるなど、小学校から高校までのカリキュラム改革の議論が始まっている。テレワークや兼業などの普及も踏まえ、パソコンの活用能力が求められるようになっている」と話した。

続いて韓国の孔秉鎬・烏山大学校教授は、韓国でも日本と同じように、学校の授業日数の確保に頭を悩ませていたり、大学入試の日程が2週間程度ずれ込んだりするなどの影響が起きていると紹介。これからの教育を考えるための視点として▽国レベルでの、子供1人1台のパソコン環境整備▽教室の大きさや教員数の見直し▽オンライン授業では難しいとされる道徳教育の支援▽学校の自立性を高めるための研究――の4つを提示した。

同教授は「新型コロナウイルスはオンライン授業を通じて、知識伝達だけでなくコミュニケーションの動機付けや、学級経営の重要性を考えるきっかけを、教師にもたらした。オンラインと対面授業を、いかに調和させるかが重要だ」と問題提起した。

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