1人1台環境整備のポイント 共同調達の成果を講演

オンライン授業に対応するための環境整備が各自治体で急務となっているのを受け、超教育協会(会長・小宮山宏三菱総合研究所理事長)は8月4日、オンライン講演会を開き、学習者用端末の共同調達に取り組んだ奈良市教委学校教育課情報教育係の谷正友係長と、グーグル合同会社でアジア太平洋地域の教育事業を担当するスチュアート・ミラー氏が、端末の導入を進める上でのポイントなどを語った。

GIGAスクール構想を受けて、環境整備のポイントを議論したシンポジウム(Zoomで取材)

奈良県内の39市町村などが参加した「奈良県域GIGAスクール構想推進協議会」の調整部会会長を務めた谷係長は、県内の8割に相当する市町村で端末の共同調達が実現できたポイントを解説。「自治体や学校規模、家庭環境にかかわらず、県内の子供たちに最新で質の高い学習環境を整えるためにどうすればいいかを、市町村間で議論し続けた結果だ」と強調した。

その上で「徹底的にクラウドを活用し、子供が自由に学べる環境を管理する。次のスタンダードとして、個人所有を見据える必要がある。水道などと同じく、ICTは5年後には基礎的インフラになっている。1人1アカウントを実現して、学びを継続させなければならない」と展望を語った。

また、「小学校低学年では端末を十分に使えないのではないか」との懸念を踏まえ、県内の5~7歳児を対象に行った検証実験も紹介。その結果、6歳以降では、多くの児童が音声による画像検索や文字入力、充電のやり方と必要性を理解しており、大人が指導すれば自分で適切なパスワードを決められることも分かったという。

「小さな子供も最初に使い方を教えれば、後は自分たちで楽しく使ってしまう。大人がほんの少し頑張れば、子供はどんどん慣れて新しい世界に行けるのではないか」と述べた。

スチュアート氏は、クラウド活用を前提としたグーグルの戦略やそのメリットを説明。その上で、休校中の各国の対応について「どの国でも休校対策には困っている。1人1台を実現できている国は極めて少ない。家庭のパソコンを使用することを前提に、アカウントを先に付与して急場をしのいだ国もある。日本の学校のICT整備率が低いことが世界的に話題になることはなく、逆にGIGAスクール構想について『日本はすごいことを目指そうとしている』とよく聞く」と語った。

次のニュースを読む >

関連