過度の消毒やマスク常時着用不要 文科省がマニュアル改訂

文科省は8月6日、学校での新型コロナウイルス対策に関する衛生管理マニュアルを改訂し、学校現場の負担となっている消毒作業について、「通常の清掃活動の中にポイントを絞って消毒の効果を取り入れる」とする内容を追加し、過度な消毒は不要であることを強調した。また各地で猛暑が続き、熱中症のリスクが高まっていることを背景に、マスクについて「常時着用」という文言をなくし、学校現場が柔軟に判断しやすいようにした。

衛生管理マニュアルの改訂について説明する文科省初等中等教育局健康教育・食育課の平山直子課長

今年6月時点で文科省が示した「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル~『学校の新しい生活様式』~」では消毒について、「用具や物品の共用を避けることができれば避けるようにするが、消毒できるものについては消毒を行い、使用後には手洗いをするように指導する」と記載されている。

ただ、「現場から消毒作業で疲弊しているという声がたくさん届いている」(文科省初等中等教育局健康教育・食育課の平山直子課長)として、消毒に関する考え方を整理した。

具体的には▽床、トイレ、洗面所は通常の清掃活動の範囲で対応し、特別な消毒作業は不要▽机・椅子も特別な消毒作業は不要だが、必要に応じて清掃活動において家庭用洗剤などを用いた拭き掃除を行う▽大勢がよく手を触れるドアノブ、手すり、スイッチなどは1日1回、消毒を行う▽器具・用具や掃除道具など共用する物は、使用の都度、消毒を行うのではなく、使用前後に手洗いを行うよう指導する――など。

それ以外の特別な消毒作業は基本的に不要であり、過度な消毒とならないよう十分な配慮が必要だとした。平山課長は第2次補正予算による措置で、外部人材などを活用した消毒作業は可能としながらも、「学校教育活動を充実させるための予算であり、全てを消毒のために使うのは忍びない。消毒は最小限とし、学びの保障などに活用してほしい」と述べた。

マスクの着用については、6月時点では「基本的には常時マスクを着用することが望ましい」としつつも、十分な身体的距離が確保できる場合や、熱中症などの健康被害が発生する可能性がある場合はマスクを外すよう記載していた。

ただ、「常時着用」という文言が「ひとときも外してはいけないと受け止められかねない」(平山課長)ため、「身体的距離が取れない場合は着用する」と変更し、現場でのより柔軟な指導をしやすくした。

また気温や湿度に加え、環境省が熱中症予防情報サイトで公開している「暑さ指数」を踏まえ、「気温・湿度や暑さ指数が高い日には、熱中症などの健康被害が発生するおそれがあるため、マスクを外す」「熱中症も命に関わる危険があることを踏まえ、熱中症への対応を優先させる」と明記した。

さらに、学校内で感染者が出た場合の臨時休校は、「濃厚接触者の範囲の特定や検査に必要な日数・範囲」と定め、「学校全体に感染が広がっている可能性が高いような場合などでなければ、これを超えての臨時休校は基本的に不要であり、できる限り児童生徒の学びの機会を保障することが重要。現在は感染者が発生した後、1~3日の臨時休業を実施してから、学校を再開する例が一般的」とした。

今回改訂された衛生管理マニュアルは、文科省のウェブサイトで確認できる。

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