全国学力調査CBT化 メリット・デメリットと課題を議論

文科省は8月7日、全国学力調査のCBT(コンピューター使用型調査、Computer Based Testing)化を検討する第4回会合の様子をオンデマンド公開した。同会合は先月31日にWEB会議で行われ、事業者からCBT化によるメリットとデメリットが説明されたほか、特別な配慮が必要な児童生徒への対応や、国語の縦書き問題についての課題点が議論された。

まず委託事業者である教育測定研究所と内田洋行が、CBT化によるメリットとデメリットを説明。CBT化により印刷や梱包(こんぽう)などが不要となり、準備期間は3カ月程度短縮できて、採点や集計、分析などの工程も効率化できるとした。

教育的なメリットについては、▽多様な形式の問題に対応でき、測定可能な構成要素が増える▽個人や団体単位で過去の履歴に応じて、結果分析やフィードバックが可能▽解答プロセスや解答時間を細かく分析し、将来的な指導に生かせる▽画面の文字サイズの変更や問題読み上げ機能を活用して、特別な配慮が必要な児童生徒への対応が充実する――などを挙げた。

一方でデメリットとしては、国語の縦書きの問題やルビ表示などに対応できないことや、試験中に機材トラブルが起きたときの対応などを示した。

特別な配慮が必要な児童生徒への対応を巡って、大学入試センター研究開発部の寺尾尚大助教は「CBT化することでプラスになる面がある一方で、混乱する受験者もいるだろう。例えば紙ベースだと使用する色に制限があったが、CBTにはそれがないので配色に気を付けなければならない。また紙だと問題の終わりが目に見えるが、CBTでは分かりづらく、集中力が保てない児童生徒もいるだろう。『〇問中〇問』といった表示をするなど工夫しなければならない」と指摘。

医療系大学間共用試験実施評価機構事業部の石田達樹理事・部長は「現場の教員に協力してもらい、具体的にどのような配慮をしているかデータを集め、整理してはどうか。システムでどこまで対応でき、できないものはどうクリアしていくのか、幅広い観点から考えなければいけない」と述べた。

さらに国語の縦書き問題について、十文字学園女子大学教育人文学部児童教育学科の冨山哲也教授は「問題形式も、解答も縦書きでなければいけないというわけではない。紙の試験で、横書きで提示しているものもある」とした上で、「それよりもスクロールが気になる。国語では複数のテキストを同時に読んで、情報や考えをまとめる力を問う。その作業は紙のほうがやりやすく、受験者はパソコンでどこまで対応できるのか」と指摘した。

次のニュースを読む >

関連
関連記事