外国人への支援、高校進学後も必要 日本学術会議が提言

日本の在留外国人が増加する中、日本学術会議の地域研究委員会多文化共生分科会は8月11日、外国人の児童生徒に対する支援の拡充を求めた文科省への政策提言を公表した。提言では、公立高校における外国人生徒への支援が、義務教育段階に比べて大幅に遅れていると指摘。外国人生徒が多い地域や高校での「多文化共生コーディネーター」、「多文化共生担当教員」の創設などの施策を速やかに進めるべきだと訴えた。

日本学術会議によれば、義務教育段階に比べ、公立高校における外国人生徒の実態を示す公表データは少ない。今回、多文化共生分科会が推計を行ったところ、外国人生徒の高校進学率は上昇しているものの、直近(2018年)でも6割台にとどまっており、日本全体の高校進学率(全国平均98.8%)と比べて大幅に低いことが明らかになった。

また、高校進学後も、日本語教育が必要な生徒の公立高校の中退率は9.61%と、全国の公立高校生の中退率(1.27%)と比べて大幅に高い。

こうした現状を踏まえ、提言では「高校進学以降も継続的な支援を行う必要性を示している」と指摘。「外国人生徒が孤立感を抱かずにすむような関係性と活動の場(いわゆる「居場所」)を提供することが必要である」として、▽外国人生徒の抱える悩みや問題を初期の段階で解消したり、専門家につなげたりする「多文化共生コーディネーター」や「多文化共生担当教員」の創設▽外国人生徒たちの学習意欲や動機付けを強めるための、外国につながりを持つ人たちの学校内への配置▽教職課程に多文化共生を主題とする科目を設定し、教職課程を選択する学生全員に履修を義務化――といった施策を求めた。

また、外国人生徒の高校進学率を高めるため、▽高校入試における特別枠・特別措置を全国に拡大すること▽多言語運用能力を評価する学力検査を行うこと▽外国人生徒の多様化をふまえ「来日後3年以内」といった受験資格を緩和すること――などを要望した。

文科省が2019年に公表した調査では、約2万人の義務教育相当年齢の子供が不就学の状況であることが明らかになっている。政府は今年6月、「日本語教育の推進に関する施策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針」を閣議決定し、外国人の子供の就学機会の保障に向けた方向性や具体的な取り組みを示していた。

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