小学校高学年の教科担任制、2022年度導入 中教審骨子案

中教審新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会が8月20日に示した答申の中間まとめ骨子案では、小学校高学年からの教科担任制を2022(令和4)年度をめどに「本格的に導入する必要がある」と明記。専科指導の対象とすべき教科として、外国語(英語)、理科、算数の3教科を例示した。また、教科担任制の導入に伴う教員養成について、学生が小学校と中学校の免許状を取得しやすくするため、小学校と中学校の教職課程で授業科目を共通に開設できる特例を設けるなど、環境整備を進めることを打ち出した。

WEB会議形式で行われた中教審特別部会の様子

「令和の日本型学校教育」の姿を示すことを狙った骨子案では、各論の中で、ポストコロナ時代の義務教育の在り方を説明。基本的な考え方について、「小学校6年間、中学校3年間と分断するのではなく、義務教育9年間を見通した上で、指導方法や教師の養成等の在り方を一体的に検討を進める必要がある」とした。

義務教育9年間を通じた教育課程について、新学習指導要領が掲げる資質・能力の3つの柱である「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」をバランスよく育成することが必要と確認。OECDによる生徒の学習到達度調査(PISA)などで浮かび上がった日本の課題として、「複数の文書や資料から情報を読み取って、根拠を明確にして自分の考えを書くことや、テキスト(インターネット上にあるデジタルテキストや情報などを含む)や資料自体の質や信ぴょう性を評価することなど、言語能力や情報活用能力に課題が見られる」との認識を示した。

これらの課題を踏まえ、小学校高学年以降では、扱う情報が高度かつ大量になる中、理解を重視した学習方略を活用していくなど、「発達の段階に応じた学習指導が重要」と指摘。同時に、学校がチームとして取り組むことが重要で、教師全員がカリキュラム・マネジメントに参画するよう求めた。

標準授業時数については、「教育の質を量的に支える」として重要性を確認する一方、ICTを活用した学習指導を踏まえて柔軟な検討が必要との見方も明記。「学校や地域の実態に応じて、責任を持って柔軟に判断できるようにしていくことが重要」として、「教科等ごとの授業時数の配分について、一定の弾力化を認める仕組みを設けることも考えられる」と、慎重な表現ながら、標準授業時数の見直しも選択肢として併記した。

こうした教育課程の考え方を受け、骨子案では、小学校高学年からの教科担任制を、2022年度をめどに本格的に導入する必要があるとの認識を盛り込んだ。

その理由として、(1)日常の事象や身近な事柄に基礎を置いて学習を進める小学校における学習指導の特長を生かしながら、中学校以上のより抽象的で高度な学習を見通し、系統的な指導による中学校への円滑な接続を図ることが求められる(2)教科指導の専門性を持った教師によるきめ細かな指導によって授業の質の向上を図り、児童一人一人の学習内容の理解度・定着度の向上と学びの高度化を図ることが重要(3)教師の持ちコマ数の軽減や授業準備の効率化により、学校教育活動の充実や教師の負担軽減に資する――の3点を挙げた。

教科担任制で専科指導の対象とすべき教科については、「グローバル化の進展や STEAM 教育の充実・強化に向けた社会的要請の高まり」を理由に、外国語(英語)、理科、算数の3教科を例として示した。

教科担任制の導入に向け、教師にも義務教育9年間を踏まえて「学校段階間の接続を見通して指導する力や、教科横断的な視点で学習内容を組み立てる力など、総合的な指導力を身に付けること」が求められると指摘。教員養成段階で「小学校教諭免許状と中学校教諭免許状の両方の教職課程を修了し、両方の免許状を取得することが望ましい」とした。

しかしながら、2つの教職課程を同時に求めることは学生の負担が大きいことから、▽小学校と中学校の教職課程で授業科目を共通に開設できる特例を設ける▽中学校の免許を保有する者が小学校の免許を取得しやすくなるよう、小学校で専科教員として勤務した場合の経験年数を勤務年数に算定できるように、要件を弾力化する――などの環境整備を進める必要を明記した。

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