保育所の働き方改革進め魅力向上 厚労省検討会が骨子案

保育の職場環境の改善などを通じて、魅力向上につなげる方策を協議している厚労省の検討会は8月24日、第5回会合を都内で開いた。保育所の働き方改革や、保育士と保育所のマッチング改善などを柱とする報告書の骨子案が示された。中学校や高校での、保育の仕事への理解を深める職場体験学習の促進なども、キャリア教育の一環として盛り込まれた。

骨子案の内容を協議した保育の魅力化に関する検討会

骨子案では、保育士の魅力を発信するため、保護者や地域住民に開かれた保育所づくりや、養成校の学生への実習機会の充実などを強化すると同時に、保育所の働き方改革も促すとした。勤務中に子供と接しない時間(ノンコンタクトタイム)を確保し、事務作業や研修に充てることなどを目指し、ICTの活用による業務改善や、コンサルタントによる巡回支援を行う。

人材確保策では、一度離職した「潜在保育士」の把握を進めるため、離職時に住所などの登録を努力義務化することなども検討。保育士資格を持つ人と保育所のマッチングを改善する。同時に、離職を防ぐため、結婚や出産、子育てなどのライフステージの変化があっても、保育士として継続して働き続けられる体制づくりも進める。

また、保育士の志望者を増やすため、中学校や高校の職場体験学習で保育所の活用を促進し、進路指導を担当する教員や保護者に対し、保育の仕事を理解してもらう取り組みにも力を入れる。

会合に出席した佐藤博樹中央大学教授は「魅力向上と同時に働き方改革を実際にやっていかないと、せっかく保育士になっても現実にショックを受け、結果的に離職率を高めることになってしまう。また、離職した人には離職した理由がある。職場の在り方を変えないと、そうした人に戻ってもらえない。一番大事なのは職場づくりだ」と強調。さらに「魅力向上をアピールする際に『やりがい搾取』にならないようにすることが大事だ。働きに見合った報酬でないといけない。現状はそのバランスが取れていない」とくぎを刺した。

また、吉田正幸保育システム研究所代表は「(保育士の職場には)認可保育所以外にも、企業主導型や地域型保育など、多様な運営形態があり、温度差もある。運営形態の違いも含めて、保育施設全体に目配りをして改善しなければいけない。それぞれの保育所で、職場の魅力化を自己診断できるチェックシステムが開発されるとよいのではないか」と提案した。

保育士の養成に携わる那須信樹中村学園大学教授は「保育士の魅力については、保育士自身が語りたいことをたくさん持っていると思う。制度的なバックアップと同時に、現場にいる一人一人が社会に向けて保育を語る場が必要だ。ブラックな職場というイメージを払拭(ふっしょく)するためにも、保育士自身が中から発信していき、養成段階から働き方をしっかり認識させることが大切だ。現場が変わらなければ学生にも足元を見られてしまう」と、養成段階や職場での意識改革の必要性を指摘した。

検討会では9月17日に予定している次回会合で、報告書を取りまとめる方針。

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