未来の日本の課題を学ぶ 高校生の地域留学の意義を議論

地方の公立高校が県外からの生徒を受け入れる「地域留学」の可能性を探ろうと、全国の地域留学を支援する「地域・教育魅力化プラットフォーム」は8月22日、地域留学に関する活動に携わっている教育関係者らのパネルディスカッションをオンラインで開いた。

高校生の学びに地域留学がもたらす効果を話す岩本代表理事(Zoomで取材)

モデレーターを務めた同プラットフォームの岩本悠代表理事(島根県教育魅力化特命官)は、都市部と地方の高校生のPBL(Project Based Learning)の取り組みから、「都会の生徒の課題設定には当事者性やリアリティーがない。客観的に捉えることも大事だが、自分たちがどうこの問題に関わっていくかも大事で、双方を行き来できるようにしなければいけない。子供のころからさまざまな地域や世界を『越境』する経験が大切だ」と指摘。

岐阜県の高校教員として地域連携に取り組んだ経験を持つ、大正大学の浦崎太郎教授は地域留学について、「もっと都会の子供が行けるように働き掛けるべきだ。自分らしく社会に参加できる学びが、どこに住んでいても重要になる。都市部で暮らしていると、人口減少する日本社会の未来に危機感を抱きにくい。若いときに地方に行くことを、もっと常識的なものにすべきだと思う」と強調した。

高校生の地域留学を支援するドルトン東京学園中等部・高等部の安居長敏副校長は、海外留学と地域留学の違いを踏まえて、「新型コロナウイルスで海外留学が難しくなった今、自分の人生を見つめようと、地に足をつけて考える時間が増えた。地域留学は、周りの大人や地域がサポートしているというのが大きい。安心の上で子供たちがやりたいことをやっている。自分を変えたいと感じている子供にとって、地域留学は選択肢になる」とメリットを説明。

同プラットフォームの水谷智之会長は「地域は田舎で不便に見えるが、そこには日本社会の未来があり、手触り感のある挑戦の原体験をつくれることにすごく価値がある。未来の社会に向けて子供たちを育む最高のフィールドが、地域には山ほどある」と語った。

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