教室の換気は「対角開け」で 理研がスパコンで計算

学校の教室で窓を開けて換気する場合、エアコンの冷気をなるべく逃さないようにするには、どうしたらいいのか――。学校現場が熱中症と新型コロナウイルス感染予防の両立に頭を悩ませる中、神戸市の理化学研究所(理研)などの研究チームが、計算速度世界一のスーパーコンピューター「富岳」を使ってシミュレーションを行い、結果を8月24日に公開した。教室の対角線上にある窓と扉の1カ所ずつを、それぞれ20センチほど開けることで十分な換気ができ、エアコンによる冷暖房の保温効率を考えると、推奨できるという。

理研計算科学研究センターのチームリーダーを務める神戸大の坪倉誠教授らが計算速度など4部門で世界一になった富岳で、教室やオフィス、病室、多目的ホールなどでの空気の流れを計算し、室内に浮遊する飛沫の動きを調べた。

教室のシミュレーションでは、40人の生徒が着席した高校の教室を想定。教室の広さは8メートル四方で、天井の高さは3メートルと仮定した。エアコンを稼働させた上で、窓と扉を全開にした場合や、教室の廊下側の前方にある扉と、その対角線上の窓側にある後方の窓を1カ所ずつ開けた場合など、4つのパターンを計算した。教室の対角線上にある窓と扉を20センチずつ少し開けた場合、所要時間8分余りで室内の空気の入れ替わりが可能になり、換気をしながら室温を保つ効率が最もよかったという。

研究チームは「ほとんど窓を開けなくても、対角に20センチだけ開けることで十分な換気ができている。エアコンをかけて教室の室温を下げながら、このやり方でずっと窓を開けていても、室温がある程度保たれる」と説明し、「冷暖房の効率を考えると、対角換気の有効性が示されており、推奨できる」とした。

研究チームはこのほか、マスクの性能について、不織布と手作りの綿製など素材の違いによる飛沫(ひまつ)抑制効果なども調べた。これらのシミュレーションを詳しく説明する資料とYouTubeの動画を、理化学研究所計算科学研究センターのホームページに載せている。

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