全国学力調査のCBT化 中間まとめ案を公表

文科省は8月26日、全国学力調査のCBT(コンピューター使用型調査、Computer Based Testing)化を検討する第5回会合をオンラインで開催し、これまでの論点を整理した中間まとめ案を公表した。CBT化特有の課題として、問題作成体制や、ICT環境整備に必要な経費などを挙げ、「CBTプロトタイプを作成した上で、小規模の試行から検証を重ねつつ進めていくことが重要」とした。

同案では全国学力調査のCBT化について、▽調査の目的と実施方法などは表裏一体の関係であり、総合的に検討する必要がある▽人材や専門組織などCBT化に向けた体制整備の必要性▽端末の使用について、児童生徒が使い慣れているか、発達段階に配慮しているかなどを考慮する④CBT化による現場への負担を考慮する――と整理。

「まず小規模からの試行と検証に取り組んで、課題の解決を図りつつ、確実に段階的に規模や内容を拡張、充実させていくこと」が重要だと強調した。

それを踏まえCBT化する利点については、イラストや動画を使って出題でき、児童生徒の意欲を引き出せる点や、解答ログを活用して児童生徒のつまずきを把握するなど、指導改善面のメリットなどを挙げた。

また、問題作成の体制に課題があると指摘し、大量の問題バンクを構築する場合は「現在の作問体制では全く足りず、抜本的に見直すことが必要」と強調。さらに印刷コストの低減や準備期間の短縮が可能な一方で、新たにネットワークインフラなどICT環境整備のための経費が「相当程度必要」と明記した。

他にも、学校現場への十分な配慮とサポートの必要性にも触れた。

これを踏まえて、福岡教育大学教育学部の川口俊明准教授が、CBT化で必要となる人材調達について、国立教員養成系大学を活用する方法を提案。CBT化に伴い、テスト項目の作成や分析など専門的な知見を持った人材が多数必要であると改めて指摘し、「国立教員養成系大学には各教科の専門家がそろっている。ここに教育測定や社会調査の人材を追加し、学力調査のセンターとして機能させられないか。各地の教育大がそれぞれ独自にテスト項目を作成し、それを国立教育政策研究所が集約・整備する形が整えられるといい」などと説明した。

中間まとめは、31日に開催される「全国的な学力調査に関する専門家会議」でさらに議論される予定。

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