臨時休校で教育格差拡大 低所得世帯で勉強時間が大幅減

民間シンクタンクの三菱UFJリサーチ&コンサルティングはこのほど、独自に実施したアンケート調査の結果から、新型コロナウイルスによる臨時休校が低所得世帯に深刻な打撃を与えていると分析した。低所得世帯の収入と子供の勉強時間の減少幅は高所得世帯よりも大きく、教育格差は拡大していた。

臨時休校前後での勉強時間の変化(出所:三菱UFJリサーチ&コンサルティング)

感染拡大前の今年1月と感染拡大後の5月の世帯月収の変化を分析したところ、低所得世帯の方が減少した割合が高い傾向にあった。また、非正規雇用では正規雇用に比べて、離職や転職した確率が高かった。

教育への影響についてみると、感染拡大前から世帯所得の高い子供ほど成績も良くなる傾向にあり、学校の成績が良いほど、勉強時間は長くなる傾向にあった。臨時休校によって全体的に勉強時間は低下していたが、特に学校の成績が良くない子供ほど、その低下幅が大きく、同社では教育格差は拡大したと考えられると分析。

さらに、臨時休校が長期化するほど、子供の勉強時間や集中力、生活習慣などが悪化することも示された。特に貧困世帯は臨時休校が短期間であっても勉強時間の減少幅が大きく、それ以外の世帯では、臨時休校が長期化すると勉強時間が減少していた。

また、世帯年収400万円未満の世帯では、臨時休校による代替手段であるオンライン授業に必要なパソコンやタブレット端末などのICT機器を保有していない割合が3割を占めた。

こうした家庭の収入や教育への影響を踏まえ、子供の生涯所得への影響を推計したところ、年収400万円未満の世帯は150~170万円ほど、その他の世帯は110万円ほどの減少となった。

同調査は6月8~12日に、小学生から高校生の子供がいる世帯を対象にインターネット上で実施。2000件の有効回答があった。


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