現代美術に触れ発想広げる アーティストが小学生に授業

横浜市で3年に1度開かれる現代美術の国際展「ヨコハマトリエンナーレ2020」の開催に合わせ、作品を出展しているアーティスト、さとうりささんによる授業が8月25日、同市立みなとみらい本町小学校(小正和彦校長、全校児童355人)で行われた。小学1年生と4年生が、さとうさんの作品に直接触れて観賞したり、自由に絵を描いた紙風船を作ったりするワークショップを体験。児童らは、見ている人にさまざまな視点を提示する現代アートの面白さを通して、発想を広げていた。

作品がどんな素材でできているかを問い掛けるさとうさん

授業の最初にさとうさんは、これまで自身が手掛けてきた代表的な作品をスライドで紹介。その中には、同校のすぐ近くに展示され、児童が実際に目にしたこともある作品もあった。不思議な形をしたこれらの作品が、一体どんな素材でできていると思うかをさとうさんが問い掛けると、子供たちからは「紙」や「ペットボトル」「針金」など、さまざまな答えが飛び出した。ある児童が「小麦粉」と言うと、さとうさんは「それは面白い。今度はそれで作ってみようかな」と応じた。

その後、児童らは新型コロナウイルスの感染防止対策のためグループに分かれて時間をずらしながら、作品を鑑賞してワークショップを行った。

作品の中に入った担任の様子をのぞき込む児童ら

さとうさんが制作した巨大なバルーン状の作品を教室の中心に設置。中に担任が入り、さまざまな動きをしている様子を、外から児童らがのぞき込んだ。また、その作品の形状や部品の設置位置などを検討するために制作した模型も用意され、どんな方法で作品が生み出されたかをさとうさんは児童らに説明した。

作品を観賞した小学4年生の宝蔵寺咲良ミラーさんは「アーティストになるのが夢で、自分で絵を描いたり、デザインを考えたりしている。さとうさんが見せてくれた模型には、いろんな数字や割れてしまった部分も書かれていて、すごく大変な仕事なのだと思った」と将来へのイメージを膨らませていた。

制作した紙風船を窓際に並べる児童ら

同じく4年生の粟田真穂さんは「最初見ただけでは、作品がどんな素材でできているか分からなかったが、触ってみたら、ざらざらした生地だったので驚いた。ピーナッツみたいな形も面白かった」と、さまざまなインスピレーションを感じ取っていた。

また、ワークショップでは、あらかじめガイド線の入った長方形の紙にハサミで切り込みを入れたり、折ってのりでつなげたりして、12センチの立方体の紙風船を制作。児童らは紙風船の側面に思い思いの絵を描くと、日当たりのいい廊下の窓際に飾っていた。

さとうさんは「現代美術は難しいという印象を変えたい。正解がなく、自由に触れて、いろいろな感想があっていいことを伝えたかった。先生は子供たちのことをよく知っているので、普段の授業でプロを呼ばなくても、さまざまなアイデアで子供たちが自由な発想ができる場を作れると思う。子供たちには、発想を広げてどんどん突っ走ってほしい」と語った。

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