休校で給食なく栄養面で打撃 NPOが母子家庭に調査

新型コロナウイルスによって、自分が感染すると子供の世話をする代わりがいないなどの理由から、シングルマザーの3割が自発的に仕事を休んだり、辞めたりしていたことが、NPO法人の「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」が8月28日に発表した実態調査結果で明らかとなった。同調査では、一斉休校で学校給食がなくなったために、ほとんどの家庭で食費が増加し、「野菜を食べる量が減った」など、栄養面でも深刻な打撃を与えていることが分かった。

一斉休校による仕事への影響(小学生~高校生の子供がいる人)

調査結果によると、新型コロナウイルスに関連して、自分自身の雇用や収入に「大いに影響があった」と答えたのは38.5%、「ある程度影響があった」は32.3%に上った。

また、自身が感染すると子供の面倒を見る大人がいなくなってしまうことや、家族への感染を避けるために、自発的に仕事を休んだ人は28.0%、自発的に仕事を辞めた人は4.1%いた。

特に小、中、高校生の子供がいるシングルマザーに、一斉休校による仕事の影響を尋ねたところ、▽仕事を休む必要があった 21.6%▽仕事日や仕事時間を減らす必要があった 24.7%▽仕事を辞めた 1.7%▽仕事を変えた 0.7%▽仕事を開始できなかった 3.3%――と、仕事に何らかの支障が出ていた人は半数を占めた。

また、一斉休校によって給食がなくなり、94.4%が「食費が増えた」と回答。食生活への影響を複数回答で聞いたところ、「野菜を食べる量が減った」が55.3%、「インスタント食品を食べる量が増えた」が54.0%、「炭水化物(米・パン・麺)だけの食事が増えた」が49.9%に上るなど、栄養バランスに偏りが生じている可能性が示された。

さらに、中学生以上の子供がいる人に、自宅でのオンライン授業に必要なICT環境について聞くと、「パソコンもタブレットもない」と答えた割合は36.8%で、「インターネットに接続することはできない」は5.7%だった。

シングルマザーの窮状を訴える赤石理事長

「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」の赤石千衣子理事長は「新型コロナウイルスは、大規模災害と同じくらいの影響をシングルマザーにもたらした。食べるものに困らずに済むような援助はなく、中には食事の回数や量を減らしている家庭もあった。生存権が脅かされていると感じる。(これまでの景気悪化のときとは)景色が違う」と深刻な状況を訴えた。

調査に協力した立教大学の湯澤直美教授は「子供の学費としてためていた分を崩した、コロナをきっかけに子供が不登校になってしまったという声もあった。適切な支援がないままでは、進学を断念したり、中退したりせざるを得ない子供も増え、格差拡大につながる。急いで対応していく必要がある」と指摘した。

同調査は7月1~7日に、「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」などのシングルマザー当事者団体、支援者団体のメールマガジンに登録している会員のシングルマザーを対象に、WEBアンケートを実施。有効回答1816件を分析した速報値としてまとめた。

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