少人数学級「首相交代で立ち消えにはならない」 文科相

安倍晋三首相の辞意表明を受け、萩生田光一文科相は9月1日の閣議後会見で、政府の教育再生実行会議が主導している少人数学級について、「新たな感染症に対応できる学校を作っていかなければならない。その視点からも、少人数学級の在り方は、リーダーが代わったからといって立ち消えになるテーマでは絶対にない」と述べ、9月中旬にも誕生する新政権で実現を目指すべきだとの考えを明らかにした。また、来年度からの段階的な実施を視野に、来年度予算で関連経費を要求する考えも「変わっていない」とした。

防災服で記者会見する萩生田光一文科相

安倍内閣で要職を歴任してきた萩生田文科相は、記者会見の冒頭、安倍首相の辞意表明の受け止めを聞かれ、「安倍内閣として加速して取り組もうという課題が数多くあった中で、リーダーが代わるのは極めて残念だと思っている」と述べ、表情を引き締めた。

その上で、安倍政権の教育政策について、「この7年8カ月、安倍内閣の下で進めてきた教育改革には、多くの人が一定の評価をしている。その重要性には何ら疑うものはない」と成果を強調。

「さまざまな例を挙げると時間がかかるので、あえて1つだけ」と前置きして、「第2次安倍内閣がスタートした時に、生まれた家庭の経済環境で、子供たちの進路の選択肢が狭まってしまうような日本を変えたいというのが、教育政策の大きな目標だった」と説明。「そういった意味では、幼児教育・保育の無償化、新しい奨学金制度ができることになり、高等教育も含めて、志のある子供たちがチャレンジできる環境は大きく広がったと思っている」と述べ、消費税率の引き上げ分を財源に、幼児教育や保育の無償化などに踏み込んだことを、教育政策での最大の成果と位置付けた。

また、政府の教育再生実行会議が検討を本格化させている少人数学級の実現について、「まだ総理の任期も残っているので、残された時間で、私も全力を挙げてやるべきことはしっかりやっていきたい」と改めて意欲を表明。

「誰が首相になっても、誰が文科大臣になっても、新たな感染症に対応できる学校を作っていかなければならない。その視点からも、少人数学級の在り方は、リーダーが代わったからといって話が立ち消えになるテーマでは絶対にない。私もどういう立場になっても、しっかり方向性を付けることができるように頑張っていきたい」と続けた。来年度予算に少人数学級の段階的な実現に向けた関連経費を要求する考えについても「全く変わっていない」と述べた。

安倍政権の教育政策を方向付けてきた教育再生実行会議の意義について、「2013年1月の発足以来、教育再生実行会議では、これまで11次にわたる提言を取りまとめてきた。これらの提言を受けて、いじめ問題への対応、教育委員会制度改革、給付型奨学金の創設などに関する法律改正をはじめ、さまざまな制度改革や新たな事業が実現してきた」と指摘。

「必ずしも全会一致で決まる内容ではなく、対立軸が生じたこともあった。逆に言えば、いままで教育行政は、対立してまで制度をどうするか、と議論する機会すらなく、ふわっとした状況の中で物事が進んできたところもあったのではないかと思う。その意味では、教育再生実行会議は、日本の教育を変えていく、よくしていくために大きな役割を果たしたと思っている」と説明した。

その上で、新政権に対し、「これから新しいリーダーの下で内閣が組閣をされるが、教育再生実行会議の名称はともかく、政府全体で教育に関わりを持っていくことの重要性は、しっかり継承してほしい。そのことは声を大に言い続けていきたい」と述べた。

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