GIGAスクール「端末更新へ中期計画を」 自民が議論

自民党の教育再生実行本部は9月3日、教育委員会の全国組織である関係4団体から、学校現場が抱える「Withコロナの教育課題」についてヒアリングを行った。4団体は、1人1台端末の更新費用の補助などGIGAスクール構想への継続的な国費投入や、新型コロナウイルスの感染対策として少人数学級の早期導入などを、異口同音に訴えた。質疑応答後、馳浩本部長(元文科相)は「5年後の端末更新も踏まえて、GIGAスクール構想を定着させていく中期計画を持たなくてはいけないのではないか」と述べ、議論を引き取った。

自民党の教育再生実行本部であいさつする馳浩本部長

ヒアリングを受けたのは、▽全国都道府県教育委員会連合会▽全国市町村教育委員会連合会▽中核市教育長会▽全国町村教育長会――の4団体。

GIGAスクール構想への支援継続については、4団体の全てが言及した。特に、今年度中の整備を目指している1人1台端末が、5年程度で機器更新が必要になることを踏まえ、「5年後、10年後の見通しが不透明になっている。新たな自治体負担が心配」(中核市教育長会)と、機器更新に対する国費の支援継続を保証するよう求める声が目立った。

家庭学習などに必要な通信費が自治体や家庭の負担となっていることから、「家庭の経済状況にかかわらず、オンライン教育を受けられる環境を整えるため、通信費も国費で支援してほしい」(全国都道府県教育委員会連合会)との指摘もあった。

町村部では「制度や支援ができても、人材が確保できない」(全国町村教育長会)として、ICTアドバイザーなどの専門人材を確保する施策を求める声も出た。現在有償となっているデジタル教科書について、無償で整備するべきだとの意見もあった。

こうした指摘について、瀧本寛・文科省初等中等教育局長は「GIGAスクール構想に関わる端末の更新費用については、今後も1人1台の環境が確保されなければならないと思う。予算要求に向けて検討している」と答えた。

少人数学級についても、学級編制基準の見直しと教員の定数改善が必要だとして、4団体の全てが取り組みを求めた。「教室の密な環境を改めるためには、学級編制基準の見直しが必要だと、深く実感している」(全国市町村教育委員会連合会)、「分散登校によって、新1年生が1クラス20人で給食をスタートでき、非常に助かったとの声が学校現場から届いている」(中核市教育長会)、「30人学級、理想的には20人学級ができないかと考えている。実現に向けて、半歩でもいいから前進してほしい」(全国町村教育長会)といった声が相次いだ。

一方、新型コロナ対策に伴う教員の負担増について、「働き方改革に取り組んでいるが、(過労死ラインとなる)月当たり80時間の時間外勤務をしている教員も少なくない。これは学校運営に必要な時間は削れないということ。管理職や主任教諭の働き方も含めて、どう見直すか検討してほしい」(全国市町村教育委員会連合会)との切実な訴えもあった。また、「感染症対策の中心を担っている養護教諭の加配も検討してほしい」(全国都道府県教育委員会連合会)との声も出た。

締めくくりのあいさつに立った馳本部長は「来年度予算の概算要求に向けて、一つずつ丁寧に積み重ねていきたい」とした上で、GIGAスクール構想について「端末もサポートする人も、通信費も大変だ。課題は明確になっているので、これをどうサポートしていくか。単年度でできることもある。5年後の端末更新も踏まえて、われわれはGIGAスクール構想を定着させていく中期計画を持たなくてはいけないのではないか」と指摘。政府が端末の更新費用などへの国庫補助を自治体に約束するために、中期計画が必要との見方を示した。

また、高校の1人1台端末について、「一気にやる勢いでやらないと。首長に任せておくとなかなかできない」と述べた。

少人数学級については「基礎自治体には切実な問題だ。来年度予算でできること、中期計画でやること、予備費でできることはないか考えなければならない」と話した。さらに、4団体に対し、「Withコロナ時代に教育環境をどう提供し、教員の体制を作るのか、地域の民間や企業も入れて、各都道府県の総合教育会議で考えてほしい」と、自治体単位での民間の専門家や企業を交えた対応を促した。

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