運動部や寮生活での感染対策徹底を 文科省が注意喚起

部活動や寮生活を共にする学生や生徒の間で、新型コロナウイルスへの感染が広がった事例が相次いだことを踏まえ、文科省は9月3日、学校の設置者や部活動の指導者に向け、感染症対策を徹底するように求める通知を出した。衛生管理マニュアルも改訂し、「寮や寄宿舎における感染症対策」の項目を追加したほか、大会への参加や練習試合、合宿を行うに当たっての留意点を示した。

運動部や寮生活での感染対策について説明する平山直子課長

文科省初中局健康教育・食育課の平山直子課長は、部活動や寮生活で感染が広がった事例を調査した結果、「競技そのもので感染が広がるというより、競技の合間と前後で生徒が交流することや長時間一緒にいることで、感染が拡大する現状が見えてきた」と説明。

通知では、部活動の競技中・練習だけでなく食事などを共にする場合に▽飛沫(ひまつ)感染に留意し、近距離での大声を徹底的に避ける▽こまめな手洗いを励行する▽体調のすぐれない学生や生徒は部活動への参加を見合わせ、自宅で休養する▽部活動の練習場所や更衣室など、また食事や集団で移動する際の3密(密閉、密集、密接)を避ける――といった感染対策を徹底するよう呼び掛けた。

寮生活をする場合は行動を共にする時間がさらに長くなることから、改訂された衛生管理マニュアルでは居室での換気や飛沫防止のほか、食堂、浴室、トイレなどの共用施設で、複数人が触った場所は定期的に消毒するなどの対策を求めた。また、管理者や居住者は1日1回以上、体温測定と体調チェックを行い、結果を共有することとした。

他にも、発熱や体調不良がある場合は個室に隔離し、症状が治まった後も2日経過するまでは個室で過ごすほか、部活動など集団活動には参加しないこと、体調不良者が同時に複数人(3人以上を目安とする)発生した場合は、学校医や医療機関に相談することを求めた。

さらに衛生管理マニュアルでは、大会やコンクールなどに参加する際、競技や演技の時間だけでなく、移動時や更衣室の利用時も感染対策をすることや、練習試合や合同練習、合宿を行う際は担当教員だけでなく、学校全体で責任をもって感染対策に当たることを求めた。

同一の学校において複数の感染者が確認された事例は6月から8月までに68件あり、うち部活動に関連したものは18件だった。5人以上の感染者が発生したケースも18件あり、うち9件が部活動関連だった。

学校種別では高校が32件と多く、衛生管理マニュアルでは「年齢が上がるにつれて、学校内でも教員の直接的な監視下にはない行動や、自主的な活動が増えることから、衛生管理について生徒自ら留意するよう指導することが必要」としている。

平山課長は「5人以上の感染事例は、社会全体の感染者数から見れば極めて少なく、地域の感染拡大の役割はほとんど果たしていない。学校関係者が感染症対策と学びの両立について努力をされた結果。気を緩めることなく、しっかり対策してほしい」と強調した。

衛生管理マニュアルの改訂は8月6日に続き4回目。最新版は文科省のWEBサイトで確認できる。

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