GIGAスクール端末更新費用 文科相「年度内に方向性」

GIGAスクール構想で、今後発生する1人1台端末の更新費用を巡る国と自治体の負担について、萩生田光一文科相は9月4日の閣議後会見で、「年度内に(1人1台端末を)整備するまでの間に、方向性を示していくことができるように頑張りたい」と述べた。1人1台端末の環境を維持していくために、国費を継続的に投入する一方で、その国費が地方自治体で確実に学校のICT環境整備に使われる仕組みを構築していく考えを示した。

1人1台端末の更新費用について説明する萩生田光一文科相

萩生田文科相は、地方自治体から端末の更新費用に対する国庫負担を明確に示すよう求める声が出ていることを受け、「文科省としても、端末更新に際しての費用負担の在り方は、重要な課題であると認識している。安心して将来にわたり、対応できるような形を目指していきたい」と言及。「その検討のためにも、まずは令和の時代のスタンダードとして、学校における1人1台のICT活用が当たり前である環境を作り上げていくことが前提だと思っている」として、自治体に端末整備を急ぐよう改めて促した。

また、1人1台端末の整備について、「国が大きな方針を変えたわけであり、令和の学校の標準的な備品として、机があれば椅子があって、当たり前にパソコンやタブレットがある。義務教育のコストの中に(1人1台端末を)含めていく必要はある」と述べ、義務教育に必要な学校の施設整備の対象として、パソコンやタブレットを位置付ける考えを明確にした。

その上で、更新費用の国庫負担について、「(学校のICT環境整備のため)20年間、地方財政措置をしてきたにも関わらず、(端末整備が遅れた)こういう状況が目の前に横たわっていることを、地方自治体も一緒に考えなければいけない」と指摘。国が長年にわたって学校のICT環境整備に予算を付けてきたのに、地方分権を前提とする地方財政措置の仕組みの中で、使途を限定しない一般財源である地方交付税交付金として交付されたことから、多くの自治体が学校のICT環境整備を先送りにして予算を別の項目に使ってきた経緯に言及した。

萩生田文科相は「地方財政措置に紛れてしまったら、(自治体は)正しく使ってくれるんですかと、逆に私は聞きたい」と続け、使途を限定しない一般財源として1人1台端末の更新費用に国費を投入することに疑問を示した。

さらに「子供たちの大事な学校環境なのだから、国も地方自治体も責任を持って、この学習環境を維持し、いいものに更新していく方針について、年度内に(1人1台端末を)整備するまでの間に、いい意味で方向性を示していくことができるように頑張りたい」と述べ、投入した国費が地方自治体で確実に学校現場の端末更新に使われる仕組みを構築する必要があるとの認識を明らかにした。

萩生田文科相は「(GIGAスクールの環境維持について)国が一定の責任を負う覚悟は、当然、この事業を始めた時から思っている。大前提はそうだが、地方が一緒に走ってくれないと、これはいかんなと思う。『(国の)補助金ならやるけれど、(一般財源の)地方財政措置だったらやらない』みたいなことがあってはならない。慎重に相談しながら、前向きに考えていきたい」と締めくくった。

全国の小中学生を対象とした1人1台端末は、昨年度補正予算と今年度1次補正予算で1台当たり4.5万円を上限に合計2973億円が投入され、今年度内の整備完了を目指している。端末は5年程度で更新時期を迎えるが、多くの自治体は「更新にかかる費用を国に担保してもらわないと、自治体の予算だけでは対応できない」(指定都市市長会副会長の熊谷俊人千葉市長)などとして、更新費用の国庫負担を明確にするよう求めている。

9月3日の自民党教育再生実行本部でも、地方自治体の教育団体から更新費用の国庫負担を明確に示すよう求める意見が相次ぎ、馳浩本部長(元文科相)は「GIGAスクール構想を定着させていく中期計画」の必要性に言及していた。

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