【高校改革】学習意欲高めるポリシー 策定の手順を検討

文科省の「新しい時代の高等学校教育の在り方ワーキンググループ(WG)」は9月7日、第11回会合を開き、各高校が育成を目指す資質・能力を明確にするためのスクール・ポリシーや、その根拠となるスクール・ミッション(各校の存在意義・役割・目指すべき学校像)について、引き続き議論した。同省はスクール・ポリシー策定のプロセスを具体的に示したほか、生徒が目指すべき姿を自覚しながら日々の授業などに取り組むなど、スクール・ポリシーの導入による効果についても整理した。

WEB会議で行われた会合で進行を行う荒瀬克己座長

スクール・ポリシーの策定において同省は、①策定の中心となる組織を決める②策定・公表までの具体的なプロセスやスケジュールを決める③これまでの取り組みや生徒の進路希望、地域の実情などの情報を整理する④案を作成し、教職員間で協議する⑤生徒や学校外の関係者との対話を行う――といった手順を経て決定する例を挙げた。

また、こうしたプロセスにおいては、校長がリーダーシップを取ることや、目標とする資質・能力から逆算する形でグラデュエーション・ポリシー(卒業の認定に関する方針)、カリキュラム・ポリシー(教育課程の編成・実施に関する方針)、アドミッション・ポリシー(入学者の受け入れに関する方針)の順に検討することが望ましいとした。

スクール・ポリシーの内容については、生徒らにとって分かりやすく親しみやすいもの、学習意欲を喚起し、将来に対する展望を持ちやすいものであることが必要であるとした。また学科・課程ごとの策定に加え、学校としての一体感や特色・魅力を示すため、学校全体に共通したポリシーを作ることも考えられるとした。

導入の時期については、「一定の期間を要することも想定される」として、「全ての高等学校で策定・公表されるまでには、さらに一定の準備期間を考慮する必要があるのではないか」との指摘にとどめた。

文科省が示したスクール・ポリシー策定のイメージ(文科省資料から)

さらにスクール・ポリシーの効果について文科省は▽在籍する生徒が、卒業時の姿から逆算して自覚的に日々の授業などに取り組み、主体的・自律的な科目選択を行えるようになる▽学校・教職員が、年間指導計画の策定や授業の実施・改善、学校評価などを行う際の基準となる▽入学希望者の主体的・自律的な学校選択につながる――といった点を挙げた。

委員からは「(文科省の示した)策定のプロセスは“内向き志向”ではないか。内部組織の合意をもって外部に示すのではなく、学校が地域社会でどのような役割を背負っているか、というリサーチがあった上で、学校内部でどう具現化していくかという議論が成立するのでは」という意見があった。

また「実際にスクール・ポリシーの策定で教育活動や学習意欲が改善する、というエビデンスがないまま、議論が進んでいる。先行して3つのポリシーを導入した大学では形骸化しているところもあり、検証しながらの導入や改善が必要」という指摘があった。

さらに「スクール・ポリシーには(地域により)熟度に大きな差が出てくることが想定される。うまくいった事例のプロセスを共有できる事例集を作るなどの仕組みを入れることが必要ではないか」という意見も出た。

WGでは本日の議論を踏まえ、次回10月6日の会合で取りまとめに向けた議論を進める予定としている。

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